リイド社の時代劇コミック誌『コミック乱ツインズ』2008年8月号に掲載されている、ひらまつつとむ『大江戸万華鏡 ~伊能忠敬 日本を測った男~』という漫画について、
「漫画が大変ジョジョテイストです」、「タッチはもとより、奇妙な立ち方や擬音。登場人物を覆うオーラ等、絶対に意識としてるとしか思えません」、とのタレコミを頂いたので、気になって購入してみた。
歴史を彩った日本の偉人たち!近世「鬼人・才人」伝!!
『大江戸万華鏡』
~伊能忠敬 日本を測った男~
ジョセフ・ジョースター? いいえ、伊能忠敬です。
バアァーーン! 地図を見て驚く伊能忠敬。
『左』腕が『右』腕になりそうな勢いで取り乱す伊能忠敬。
「やっつけてやるぜ!」 指を指される伊能忠敬。
「スタンド」でも発現しそうな擬音を出す伊能忠敬。
ブギャン! (注意:時代劇漫画です。)
思わぬ「だが断る」に、ドド―z_ンと大ショックの伊能忠敬。
わしゃもう嬉し涙が出てきたァ――ッな伊能忠敬。
「あ…ありのまま 今 起こったことを(以下略)」
絵柄や擬音、構図などから、『ジョジョ』を意識しているのは、コーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実ッ!
50歳で老いて益々盛んな伊能忠敬と、老ジョセフのイメージが重なったので、
この『大江戸万華鏡』の“歴史を彩った日本の偉人たち!近世「鬼人・才人」伝!!”というコンセプトは、まるで、荒木先生が変人偏屈たちを描いた短編作『変人偏屈列伝』[AA]の、時代劇バージョンとも言える。シリーズ化されるようなので、今後の展開が(色んな意味で)気になるところ。
なお、今回の記事では、あえて「ジョジョっぽいシーン」だけを抜き出して紹介しているが、漫画の方は、50歳で自分のやりたい事を始めた伊能忠敬の実に生き生きとした表情や(「ひい、ふー、みい、よー」と歩数を数えながら歩くシーンに、思わずこちらも微笑んでしまった)、地図作りに掛ける並々ならぬ情熱、鬼人・才人っぷりが描かれていて、ディ・モールト面白かった。
作者のひらまつつとむ先生は、85年に週刊少年ジャンプで「飛ぶ教室」(全2巻)を連載、最近では時代劇漫画や
『こちら葛飾区亀有公園前派出所両さんの宮本武蔵』[AA]などを描かれている模様。
- 『変人偏屈列伝』 原作:荒木 飛呂彦, 絵:鬼窪 浩久
変人偏屈を『ヒーロー』として描いた異色短編集。
5話のうち3話は、作画を鬼窪浩久先生が担当しているが、ネームは荒木先生なので、台詞も荒木節。
「きさまはクビだ! テスラァァァ―――! もうおれの前に二度とそのツラ見せるんじゃあねーぜこの変態がッ!」byエジソン。(試し読み)