【日記の目次に戻る】

99年12月25日 「ぼくの夢はクリムゾナ・スター」

『エルミデ鉱山F』、
エコール自ら「真剣勝負スコアアタックステージ」と銘打って配信されたこのステージに、 遅ればせながら本格的に挑戦を始めている。

自分自身に掲げた当面の目標は、これだ。

「パッドで10万点を叩き出す」


意外に思われるかもしれないが、私がデス2をパッドでマトモにプレイするのは、 このスコアアタックからが初めてだ。

前作「デスクリムゾン」は、 グラフィックの醜さやバグの多さ、どこか奇妙な当たり判定はともかく、 スコアアタックの面白さは他のゲームと比較しても全く引けを取らない出来映えで、 中でもパッドでの超速カーソルを制してのアーマーボーグへの追い撃ちによって、 「デスクリムゾンはパッドで遊ぶものだッ!」と言い切れるほど、 (ガンシューティングとしては異質だが)熱く遊べる内容だった。

それに対して『デスクリムゾン2』はというと、 相変わらず首を傾げるようなセンスを継承しつつも ドリームキャストの性能によって飛躍的に進歩したグラフィックと そして難易度を自由に選択できるシステム、そこそこの難易度に押さえられたステージで、 ガンシューティングゲームとしてはそれなりに纏まった内容に進化していた。 ただし、肝心のストーリーモードでは、 バイオハザードを目指して失敗したような劣悪な操作性とフラグ立ての連続、 そしてラストでの、あの……………ゲ、ゲフン! いや、なんでもない。

そんなデス2で、私が最も「進化」を実感したのは、ガンでのプレイだった。 狙った所にちゃんと正確に撃てるしっかりした当たり判定に きめ細やかな照準設定( 前作で1発打てば終了する照準設定、少しズレる当たり判定で、 「バーチャガン完全対応」とあまり大きく認められる内容ではなかった…)、 プレイの切れ目を無くしたBボタンによるボタン式のリロード、 十字キーによる目線移動、貯め時間によって自在に扱えるマシンガン・モードと、 前作がまるで嘘のようにしっかりと「ガンシューティング」となっていたのだから。

だが、その反面「パッドでの面白さ」は以前よりかなり薄れているように感じられた。

カーソルは極普通にスーっと動くだけで 前作のように縦9・横13と移動可能場所が固定されている訳でもなく、 ポインタも前作の極彩色の大きな菱形と比べると非常に地味なものに代わり、 ボタンもA・ショット、B・リロードに変更されて親指だけでの連打もできなくなり、 パッドでの特権とされていた無茶なスコア稼ぎも、 今作ではステージクリア後にスコアに加算されるクレジットボーナスが大きすぎるせいで ダメージを食らいながら追い撃ちを決める意味が薄れてしまった。

普通に遊んでいても、狙った場所を瞬時に射抜けるガンと比べると どうも単調なカーソル合わせのように感じられ…正直「つまらない」とさえ思った。

そんな理由でもっぱらガンばかりで遊んでいた私だが、 この『エルミデ鉱山F』によるスコアアタックが開始されたのを機会に、 追い撃ちによるスコアを重視すべくパッドによるヤリ込みを始めたのだった。


まず最初に行ったのは、ステージ構成とパッドによる操作になれるために、 全ての難易度で順にクリアしていく事だった。

最初は一番簡単な「初心者モード」。そこそこ苦労したが、なんとかクリア。
次は「民間人モード」。これもクリア。
その後は立て続けに「戦闘員」、「コンバット」、「クリムゾナー」、
最後にライフが4と最も厳しい「傭兵モード」でもクリア。

何となくパッドでのカーソルさばきもスムーズに行えるようになり、 今度はスコアをもっと高めるべく、追い撃ちやクレジットに気を配ってプレイしてみた。

パッドを膝の上に置き、AボタンとBボタンに人差し指と中指を乗せ、連打!連打!連打!

「がわぁ!」
あの「悶絶の舞」を見せる事無く、パタパタと倒れ消えていくアーマーボーグ達。
リトライを選んでもう一度挑戦するも、やはり、追い撃ちが決まらない。
攻撃を食らいながらじっくりとカーソルをあの場所に合わせて狙撃しているというのに!

「さっぱりわからん…」

手探りで追い撃ちポイントを探しながらの攻略は、案の定ゲームオーバーの繰り返し。 たとえクリアできても納得のいかない低いスコアに、 越前の「すっげぇじゃねぇか」の声が なんだかバカにされているように聞こえたほどだった。

私は意地になり、何度も何度もこのステージに挑戦し続けた。

やればやった分だけ、私の腕は確実に上達していった。
紛らわしい場所に配置されている「デスコスモス」は、見つけだしたもの全てを完璧に記憶した。 パッドでも血痕をほぼ確実に撃てるようになり、 これによるライフの過剰回復を利用したドーピングがほぼ確実に行えるようになった。 それと同時に、今まで邪道だと思って使うのを躊躇していたこのドーピング行為が、 無駄に血痕を撃ち続けていると経験値が下がり続け、 経験値が貯まりきる寸前の場合だと逆にクレジット増加のチャンスを失ってしまうなど、決して万能でない事も知った。 やられた後でも攻撃判定が残るくせに、上手く倒せばかなりのスコアが入る「緑色の蜂」には エコールならではの嫌らしさに何度も酷い目にあわされたが、とりあえず何とかなるようにはなった。 そして、最初は全く出来なかった追い撃ちも、目の前で斬撃を繰り出す「アーマーマクネリー」相手だと かなりの確率で決まるようになっていった。

そんな中「こいつはどう頑張っても追い撃ちできないんだろうな」と思っていた敵を 偶然追い撃てた事があった。 あまりの嬉しさに心の中でガッツポーズ、その時、ハッと「ある事」に気が付いた。

「これって、デスクリムゾン1の時と同じ感覚なのでは?」


現在までの私のハイスコアは、
1999年12月23日16時23分、83422点
これは最も調子良く追い撃ちが決まった時のスコアだ。

言うまでもないが、こんなスコアで満足などしてはいない。
エコールの言っていた「パッドでも熱く遊べる」 の意味が、ようやくわかりかけてきたようで俄然楽しさが増しているし、 それに10万点への道も、ぼんやりと見え始めてきた気がする。


「デスクリムゾン2」は、前作からのファンが望んでいたものを 100%は満たしてはいないかもしれない。
「見た目は綺麗になったが前作のアクが無くなった」
「パッドでプレイし続けてきたがこの操作性には普通すぎて残念」
「スコアアタックが前作と比べると稼ぎで熱くなれない」

だが、こんな些細な事で「前ほど熱くなれない」と諦めるのはどうかと思う。

前作での無茶な操作性やバランスを克服してきたように、今度もそうすればいい。
バグがらみや仕様の甘さはともかく、内容については エコールが「真剣勝負スコアアタックステージ」と銘打ってまで出してきた、 このステージをヤリ込んで、その後で自分なりの判定を下すのも、別に遅くないのではないか。

これは「デスクリムゾン」ではない、「デスクリムゾン」なのだから。

何となく、バーチャファイター3が出る直前の、鈴木祐の 「おそらく『不満はあるが3のほうがいい』という結果になるだろう」 という言葉を思い出した。