98年2月27日 「永遠」  − 記憶・VI −
デスクリムゾンをクリアした今となっても、精神汚染は未だ進行している…その証拠に、この文章を書いている間も『デスクリムゾン』のパッケージに視線が行ってしまう。そう、俺の精神は、デスクリムゾンを”永遠のモノ”としてしまったのだから…。
デスビスノスが消滅し、開発者達の名前が流れ出す。その時、俺が見たものは、
『Death Crimson Stuff』
…Stuff…Stuff!!? この言葉には、「材料」、「本質」、「くだらないもの(こと)」、「馬鹿げた考え」という意味があるのだが、偶然にも自分達に最もふさわしい単語を使う開発者達のセンスは、ナインティナインも真っ青といった所か。ちなみに開発者は、プロデューサー1名、トータルプランニング1名、システムデザイン1名、ゲームプログラム1名、グラフィックデザイン1名、その他4名の、合計9人。この精鋭部隊がデスクリムゾンを作り上げたようだ。実に素晴らしい! おそらく、スク○ェアや任○堂には100人かかっても制作出来ないであろうこのソフトを、たった9人で制作したECOLE Stuffは、実に素晴らしい!!
エンディングも終わり、スコアには98/2/22、21:49、81100点 という歴史的記録が刻み込まれ、ステージ3の横には「ク」「リ」「ア」の3文字が付いた。全ては終わったのだ…だが、「何故、10年後?」、「KOT症候群とは?」、「どうやって銃を国外に持ち出したの?」、「ダニー、グレッグの消息は?」、「アッシムという人物は何処に?」、「クリムゾンってそもそも誰のもの?」、「デスビスノスって、何だったの?」、「どうしてムササビがOh No!と叫ぶの?」といった疑問に対する解答は、ついにその片鱗すら確認する事は出来なかった…
サイバースペースでは、今、この瞬間も、同じ疑問にぶち当たった人々が独自の精神世界を構築して行く。
…俺も、そんな「Stuff」の1人なのだ…     (パッドクリア編 −完−)
精神汚染度 119%

98年2月26日 「咆哮」  − 記憶・V −
ついに、ラストバトル! 開始早々、銀色の変なバケモノが画面中をうっとうしく動き回る…こいつが…デスビスノスなのか!? これって、オープニングで甲高い鳴き声(しかも最後に声が裏返る)を上げていたのと同じヤツなのか!? 見た目も似ていない上、鳴き声も雑魚のやられ声を使い回している…たしか説明書では「機械が究極の進化を遂げた生物」と書かれていたが、さすが、クリムゾンを取り戻そうとするだけあって、進化のセンスが違うゼ!! っていうか、そもそも機械がいくら進化しようが、生物にはなれないのでは? などと散々馬鹿にしたが、さすがラスボスだけあって、攻撃の激しさがハンパではない! 大量の敵弾が越前めがけて飛んでくる! クリムゾンのエネルギーを全てバリアに使っている(と、俺は勝手に解釈している)とはいえ、この圧倒的な物量…初めてボス戦で防戦一方となる。なんとか渾身の連打でダメージを与えると、ラスボスのプライドも無いのか、さっさと逃げるデスビスノス。仕方なく、画面左右の取って付けたような画面切り替えマークを撃ってヤツを探す…だが、ステージを一周しても、ヤツがいない!? 馬鹿な! 何処に隠れやがった!! …もう一度画面を見ると、今までは左右にしかなかったマークが、上下にも付いている…なんてこった! 俺に上下まで探せと言うのか!! じっくりとヤツを探し(画面外からは攻撃が無い)、見付け次第、渾身の連打! だがヤツは一定ダメージを受ける度に逃走…それをまた追いかける俺…緊張感の無い鬼ごっこが続く。ここで俺は重要な事実を2つ見つけ出した。一つは、今まで何度か「ボス戦になると何故かクレジットが0になる」と書いてきたが、デスビスノス戦に限って、クレジットはちゃんと残っている…つまり、クレジットが無くなるのは純然たるバグだったという事だ!! ヘボイぜ、ECOLE!! もう一つは、どうやらデスビスノスの放つ大量の弾は、何処から放たれようが、必ず画面中央を目指して飛んで来るのだ…ヘボすぎるぜ、ECOLE!! デスビスノスを見つけてはカーソルを画面中央に持っていき、ひたすら連打。もうダメージを受ける事も無い。ついに、ヤツの体力が空になった。何時ものようにスコア画面が現れる…このままスタッフが…と思っていたが、予想に反して画面に流れ出したのはトゥルーモーションによるCGアニメーション!! オープニングのデスビスノスが、あの甲高い雄叫びを上げながら、闇に沈んで行く…
…今更、そんな声で鳴かれても…ねぇ? (続く)
(追記)この文章を書いた時点では、確かにデスビスノスの雄叫びを聞いたツモリだったが、その後、何度クリアしても鳴き声が聞こえない事が判明。幻聴…だったのかー!?
精神汚染度 101%

98年2月25日 「トビラのムコウ」  − 記憶・IV −
前のステージでの精神的ダメージは甚大だったが、取り直して3−3を始める。ステージのタイトルは「デスビスノスの宇宙船」…ちょっと待て、越前! なんで宇宙船なんだ? っていうか、てめぇいつ乗ったんだ?? これには流石の俺も画面に向かってツッコミを入れずにはいられなかった。ステージが始まってすぐ、理不尽な出現方法で敵が目の前に湧き出した。俺の頭を悪夢が過ぎる…また、汁っ気タップリに飛び散るのか?…観念して敵を撃つ。が、飛び散らなかった。普段の虹色のケバい爆発だった。じゃぁ、さっきのステージの飛び散り方の意味って、一体…(ちびまる子風) 「なーんか、簡単だなぁ!?」いつもよりヤケに簡単に倒せると思ったら、敵の数は多いが、最大の敵「ムササビ」や「佐藤」が全く出現しない様だ! 宇宙万歳!! でも、どうして越前は生きてるの? ま、どうでも良いけどね!! 連打モードでハイになった俺は鼻歌まじりに宇宙船の中をズカズカと突き進む。銀色の壁、空中で回転している多角形のオブジェ、上下が逆転する無意味な演出、そして、スターウォーズのトルーパーをパクったのであろう、白い宇宙服を来た兵士達(しかも、今まで出現していた兵士の色違い)…センスの無さは、正にD級だ!!! おや? 越前が部屋の入り口で立ち止まった。もう、クリア? 画面がブラックアウトして…また、始まった。どうやら扉をくぐった、と思わせたかったらしい。ECOLEにはポリゴンで扉を開閉させるほどの技術力は無かったようだ。敵の数が多い割に単調な展開と、しつこく回転する通路…ツライ。しばらくして、再び扉の前に止まった越前。またか?、と思ったが、何処か様子が違う。まるで格納庫のような扉だ…ブラックアウトした先は、スコア画面。
何の苦労も無く、ステージクリア。だが、デスビスノスとの対決の時は、刻一刻と迫っていた… (続く)
精神汚染度 100%

98年2月24日 「破綻した精神の中で」  − 記憶・III −
今、思えば、3−1をクリアしてしまったのは大きな過ちだったのかも知れない。見なければ良かった、こんな凄惨な記憶を刻まれるくらいならば…。スコア清算によってクレジットは残り2になり、すぐに3−2が始まった。全体的に青っぽい風景…空中を飛んでいた越前(この頃には理不尽な越前の動きに対して、俺は何の疑問も持たなくなっていた)は、遺跡のようなモノの前にフワリと降り立った。今まで鳴り響いていた騒がしい曲とは全く違う、音色の少ない、淡々とした悲しげな曲が流れる。心が、しんとする。「ワァァァァ!!」唐突に敵の猛攻が始まった! 大雑把な辺り判定を有効に使いながらターゲットを確実に撃っていた、が…「ぶちゃっ…ぶちゃっ、ぶちゃっ」…鳥肌が立った。今までは撃つと虹色に爆発して消えていた敵達が、体液を派手に飛び散らせているのだ!(飛び散るパターンはどの敵も同じだが) ステージ2で現れていた青い幽霊のような敵も、ぶちゃっと飛び散って消えて行く。そして…俺は、見てしまった…あぁ、なんて事だ!! そいつは、「白い球状の体」に、「雑誌等でよくある横一文字の目隠し」をし、「ぶ厚い唇」を持ったミュータント。こいつが空中で尋常でない速さで大きく震えているのだ!! しかも、口元はまるで何かを呟くように開閉している!!! わらわらと湧き出しては撃たれて飛び散って行く敵…しかも、効果音が無い。それどころか、異常に淡々としたBGMは、時々「無音状態」にさえなってしまうのだ! 考えて欲しい! 思い出したように流れる曲を聞きながら、大量に現れる「タラコ唇の目隠しをした球体」を撃ち潰すサマを!! 効果音も無く、だが精神には確実に響いている「ぶちゃっ」とした感触を!! 嫌悪感に身震いしながらひたすら奴等を撃ち潰していった、俺の気持ちを!!! これは冗談などでは無い! このゲームは、狂っている! これを作った奴等は、本当に狂っている!!
「嫌だよぉ…」
客観的に見ると、このステージは他のステージに比べると短く、難易度も大した事は無かった。だが、この凄まじい存在感は、全ステージを通しても…いや、全ゲームを通しても、間違いなく一番であろう。まさに「悪夢のような一時」だった… (続く)
精神汚染度 7800%

98年2月23日 「疑惑を生み出すモノ」  − 記憶・II−
オリンピックの感動が冷め切らない、22日の夜、俺はデスクリムゾンの入ったサターンの電源を入れた。3−1を選ぶ、越前の声を聞く、そしてECOLEのロゴを眺める…そんな事を、4,5回ほど繰り返した。だが、止めたりはしなかった。そう、俺はもう、このロゴには慣れてしまったのだから。飽くなきチャレンジを続ける…そう、あれは確か、7度目のチャレンジだったと思う。そろそろ敵の出現位置が理解出来たせいか、唐突な「佐藤」の出現に惑わされる事無く、淡々とステージを進めて行った。目の前に突然出現し、その瞬間には弾丸を放つ、ほとんど回避不能な敵以外は、ほぼパーフェクトだった。しばらくして、アンコールワットか何かを模倣したような神殿が見えてきた。普通のゲームなら袋のネズミ、といった所だが、このゲームの場合、建物などがある方が、敵の出現位置を推測しやすい分、かえって楽に進める事が出来るのだ。もちろん、全てが常識的な場所に出現する、という訳ではないが。途中、何か黄色いクリスタルが、いかにも「撃ってみろ!」と言わんばかりの位置に浮かんでいた。破壊すると、ライフが…4!? このゲームのライフは最大3では無かったのか? その時、俺は思い出した。オープニングの後に始まるデモプレイ、その時、越前のライフは、確かに”4つ”あった事を…
「おまえ達だけ楽をしていたと言うのか! ECOLEよ!!!」
今までの俺の苦労と、そして、この超難易度の前に敗れ去った人々の魂を弔う為、俺はその時「コンバット」となった!! だが、所詮は秒殺ゲーム、3つも4つも同じである。イヤすぎる程の集中攻撃の前に、越前の命の炎はあっさりと消されてしまった。クレジットも0となり、ライフも残り、2。もう駄目だ…。だが、天は俺に味方した。2−2の時のように入り口周辺を闇雲に俳諧する事も無く、越前は、そのまま次のステージに進んで行ったのだ!!  (続く)
精神汚染度 133%

98年2月22日 「死の真紅の終焉」  − 記憶・I −
ゲームというモノは、いったい何の為にあるのだろう。面白いって、いったい何だろう? つまらないって、いったい何だろう? アレで遊んでいる間は、苛立ちや悔しさ、そしてその理不尽な内容に心をかき乱されたが、今、思い返せばば、今までのどんなゲームで遊んでいる時よりも、深く熱中していた気がする。いろいろな事があった…いずれ良い思い出となって心に沈んで行くのだろう…沈めなければならない…思い出にしなければならない…絶対に! 思い出す度に心の中で反復する記憶を、何処かで断ち切らなければならない!! 駄目だ! サターンを見てはならない! アレを取り出してはならない! もう、終わったのだから…でも、俺にアレを忘れる事が出来るのか? 記憶の浅い部分を油幕のように取り巻いている、あのいまいましい記憶を…書き留めなければならない…今日、あった事を…伝えなければ…繋げなければ…俺が見たモノを…繋げなければならない…伝えなければならない…
98年2月22日、長野オリンピックが終わった日、俺は、デスクリムゾンをクリアしたのだ。(続く)
精神汚染度 無限大

98年2月21日 「そうなっている理由」
「まいったな…」ステージ3が、思った以上に難しい。とにかく敵の数、白い民間人(佐藤)共に、かなりの数が出現する。中でも佐藤の出現方法が凄い。正面を見据えたまま、横からスライドして来るのだ。しかも、遠近感を無視したり、空中に立ち竦んだりもする。これは、はっきり言って恐い。敵の攻撃速度もかなり速いので、2分と持たずゲームオーバー。どうやら敵の位置を覚えながら少しずつ進むしか無いらしい…無気力にスタートボタンを連打していた俺は、間違えてステージ1を選択してしまった。やり直そうと思ったが、リセットを押して再びエコールのロゴを見たくは無かったのと、ステージ1は1度しかクリアしていなかった事に気が付いた俺は、せっかくだから、そのまま練習としてプレイする事にした。俺はパッドでの操作に相当慣れてしまっているらしく、あっさり1−1をクリア。1−2、1−3も楽勝でクリアして行く。そして、ボス戦に突入…そういえば、ボス戦の仕組みがイマイチ理解してなかったっけ…そう思って、画面をまじまじと見ると、確かにクレジットは0と表示されているのだが、クリムゾンの進化率を表すメーターが、何故か最大になっている事に気が付いた。もしや…とりあえず、ステージ1のボス「緑色の羽を持った巨大な鳥人・フライリハード」と適当に戯れる。ゴミのような色をしたブサイクなボスが画面に大きく拡大される度に不快感を覚えながらも、単調でつまらない時が過ぎて行く。しばらくして、「やりやがったなぁ」というコンバット越前のヤケに甲高く、人を馬鹿にしたような声が聞こえたのでメーターを見ると、少しだけ減っている。やはりこのメーターがコンバット越前の命らしい。でも、何故、ボス戦だけこうなっているのだろう? ボスの強大な力に対抗する為に、進化したクリムゾンの力をシールドとして開放しているのか? などと、いいかげんな設定故沸き上がる「どうでも良い事」を気楽に考えながら、適当に攻撃を続ける。ボスのライフが0になった瞬間、0.1秒も経たずにスコアを表示し、直後にステージ選択画面に戻るという、いつもながらの素早い展開。元々今日は乗り気じゃなかったので、そのまま電源を切った。
精神汚染度 0%(素)

98年2月17日 「BREAK THROUGH(後編)」
カーソルがいつもの様に消えまくった以外は何もトラブルは無く、あれほど不可能だと嘆いていた2−2を、クレジットを2つも残した状態で越えてしまった。どうでも良いスコアが加算された後、この勢いで2−3を越えるべく、全神経を画面に集中させる…やけに背景が暗いな…闇に紛れてザコの群れが一斉に弾丸を放ってきた。弾丸自体は大きいので、打ち落とす事は造作も無い事なのだが、良く見ると画面中央に、一際大きなムカデが俺を見据えているのだが…まさか…ムーラだ!! ステージ2のボス「砂漠に住む軟体生物・ムーラ」だ!!! ステージ2は、2−2までしか無かったのか!? なんて脈絡の無いステージ構成なんだ…ちょっと呆れ気味の俺の前を、ザコを拡大して作ったようなボスが意味も無く動き回っている。俺は、意を決して、渾身の…連打!連打!連打!連打!連打!!! やはりこのゲームはボス戦は楽だ!! ブサイクなボスが陳腐な悲鳴を上げている。クレジットも2つもあるし、こりゃ楽勝だな…と思って、ふと画面左下を見た俺は、思わず心臓が凍り付きそうになった。クレジット、0ぉ!?そ、そんな馬鹿な! 確かに前のステージが終了する直前は2つは残っていたハズ!! 少しよそ見をした俺の耳に、幾度と無く聞いてきたセリフが。「やりやがったなぁ!」…ヤバイ! 殺られる!! 心臓の鼓動が煩わしいとさえ思える程の極度の緊張に耐えながら、必至に画面を切り替えて敵弾をそらしながらXボタン(リロード)とAボタン(ショット)を連打する俺。どの位の時間が経ったのだろう…ボスの体力が残りわずかになった時、少し落ち着いた俺の中で、かすかに気づいていた疑問が湧きあがった。「さっきから何度も攻撃を食らってるが、ゲームオーバーにならないぞ!?」そうなのだ。すでにダメージは4,5回受けているハズなのに、コンバット越前は死んではいない…そういえば、ボスの時だけ画面構成がちょっと違う様な…もう一度よく画面を見ようとした途端、いきなり画面が真っ黒に。「しっ、死んだのかぁぁーーーーー!?」どうやらボスを倒したようだ。黒い画面はスコア画面だったのだ。ボスを倒した余韻に浸るヒマも与えず、スコアを計算し、サクッと画面は最初に戻っていた。ステージ2の横には例の如くカタカナで「ク」「リ」「ア」の表示。やった…遂にやった! 俺はパッドでステージ2を越える事が出来たんだ!!! …でも、ボス・ステージって、どうなってるんだろう? 説明書を見たが、ボス戦の画面は掲載されていなかった。その事についてはインターネットで調べる事にして、さっそくステージ3をプレイ。当然、3−1で死んでしまったが、率直に言うと、どう見ても2−2より簡単そうだった。このまま突き進むのも惜しい気がしたので、そのまま電源を切った。
俺はこの日、初めて清々しい気分でゲームを終えた…
精神汚染度 398%(グイグイきてます!?)

98年2月17日 「BREAK THROUGH(前編)」
久しぶりに見たオープニングは、何処かセンチメンタルな気分になれる… ここ何日か、無性にデスりたくて仕方が無かった俺は、F井氏が2−2で「壁が見えた」と切なそうに弱音を漏らたのを聞くと、居ても立ってもいられなくなり、デスを手元に引き戻して来たのだ。オープニングを最後まで静かに眺める。迷わずステージ2を選び、スタート。「イズキット川」意味不明なステージ名の直後、超スピードでのカーソルの動きに振り回され、ゲームオーバー。時計を見ると、どうやら2分程で殺されたようだ。普段なら飛ばせないECOLEのロゴでやる気を無くし、そのまま電源を切ってしまう所だが、何故か今日は腹立たしさは微塵も浮かばず、心は挑戦意欲で漲っていた。迷わず、再スタート。気合十分で再び密林に挑む。「今度は、いける!」先ほど不甲斐無く秒殺されてしまった時とは見違えるほど、冷静で的確な動きを示す俺のカーソルは、ムササビを1度も撃つ事も無く敵を殲滅し、過去最高の”命中率85%”で密林をクリアしてしまった! だが、問題は次だ。続く2−2は、今までその理不尽な攻撃とムササビ達による鉄壁のガード、そして砂の中より湧き出すムカデ達が乱射する弾丸などによって、幾多の挑戦者を挫折に追いやってきた、死の渓谷である(過去の日記を見ることで、その血のにじむような苦労と挫折の日々に涙する者もいる事だろう)のだが…信じられない! ムササビに紛れて瞬時に攻撃を仕掛けてくる青コウモリの集団を出現順に的確に殲滅し、渓谷を突き進む! 秒殺ポイントをも危なげなく抜けて行く…あれほど苦しんできたのが嘘のような快進撃に自分でも驚いた。しかも、敵からの攻撃がカウントされない事も普段よりヤケに多い…まるで…コンバット越前が、何か別の力に守られているかのように… ひょっとして、このソフトを貸し出す事によって、CDに何か未知なる力が貯えられていったのか? それとも、奪い取ってきたのか? 遺跡の周りを何かに引き寄せられるように浮遊する越前の前に、入り口らしき物が迫ってきて…気が付いたらスコア画面。
そう、俺は、遂に砂漠の渓谷を越えたのだ!!!(後編へ続く!)
精神汚染度 160%…170%…まだ上昇!?

98年2月10日 番外編「1/3の珍妙な感情」
「おかしい…」隣のF井氏に対する、心の底から沸沸と湧きあがる疑問が口から漏れ出してしまった。 F村氏が速攻で投げ出すほどの、 常人の許容範囲をはるかに越えたベクトルを突き進むことで生成された純クソゲー「デスクリムゾン」を、 難易度の高めな「変ったゲーム」として受け止めている同氏は、いったいどんな精神力の持ち主なのだろう?  冷静に思案しても、「新手のスタンド使いか?」といった答えしか見出せない…。俺が初めてデスに触れた時は、 ステージ1が始まった直後、上空に突然現れた敵の群れに驚いて、慌てて照準を合わせようとしたが、 尋常でないカーソルの速度で画面を往復している間に殺され、思わずパッドをサターンに叩きつけようとさえ思ったものだ。 しかし、F井氏は序盤の理不尽な敵の攻撃に対して、パッドでの劣悪な操作性にもかかわらず、 的確に標的を打ち払ったというのだ。もっとも、その際、撃ってはならない民間人(通称・佐藤)をも瞬時に射殺していたようだが。しかし、ステージ1をクリアしてしまったのは予想外だった…やはり、1−3にある「エコール噴水」を破壊する事で得た、クレジット5が効いたのか? 昨日の時点で2−2の砂漠にまで進んでいる同氏は、もはや立派なデスクラーなのかもしれない。以前、俺がプレステのレースゲーム「RUNABOUT」を購入したとき、車では一切遊ばずに原チャリだけで全てのコースを制覇した俺は、同氏から執拗に「変ってる」との指摘を受けた。だが、デスを素でプレイ出来るほどの人に「変った人」と言わていたのは、今更ながら、全くもって納得がいかない。…だが、パッドクリアという前人未踏の苦行に挑戦している同氏にその事を言って戦意を喪失させては誠に惜しいので、せっかくだから当分の間、暖かく見守ろう。
だが、クリアした暁には…くくく
精神汚染度 −3%

98年2月8日 番外編「開けてはならない扉」
俺からデスを受け取った人々は、日増しに精神を病んでいく。彼らは「KOT症候群」に感染してしまったのかもしれない。「KOT症候群」…それは、進化する銃「クリムゾン」を取り戻すために、デスビスノスが放出した何らかの細菌(?)が引き起こす、不治の病…、もちろん、それはゲームの中だけの話なので、実際にはこんな病名の病気は存在しない。もっとも、ゲーム中にこの病に触れるシーンは一切無いので、「K」「O」「T」が、いったい何の略語なのか、いったい、どのような症状を引き起こすのかは、ソフト開発者以外は知り得ない(本当に当人達が考えていたのかも謎)、まさに永遠の謎なのである。だが、ここ数日で、はっきりした事が一つある。「KOT症候群」は確かに実在する!! 俺はクソゲーだと知りながら、去年の夏、中古屋でこのソフトを買った。デモで笑い狂い、ゲームで怒り狂ったあの時から、俺の精神にヤツは食らい付いていたのだ。そして、デスの事すら忘れていた俺が、ふとしたキッカケでホームページを作成しようとした今になって、KOTは発病し、毒キノコが胞子を撒き散らすかの如く、このソフトの情報を外部に伝染させ、あまつさえ物理的恐怖を与えるべく、大切な人々に貸し与えてしまったのだから。おそらく、ソフトを中古屋に売り払った人物も、すでに感染していたのだろう。
ところで、この病は発病すると健康者には何の変哲も無い、ある「キーワード」を聞いたり直接目撃する事で、極端な反応を示すという事実が判明している。せっかくだから、以下にそのキーワードの中の3つを上げておこう。
・やりやがったなぁ
・せっかくだから
・赤の扉
この3つの言葉を聞くと、感染者は間違いなく何らかの反応を示すハズである。
無論、それは、俺も…ククク、アーッハハハハハハハハハハ…
精神汚染度 170%(依然リハビリ中)

98年2月3日 「リ・ン・グ」
また…同じ事が繰り返されている…密林はパーフェクトで抜けられるが、砂漠では瞬殺… 昨日だって…その前だって…もっと前だって…初めからこうなる事になってるんだよ、きっと。 俺にはもう、こんなゲーム……ゲーム? ゲームだって? これは、本当にゲームだったのか??  脳裏を過ぎったのは、とある雑誌に書かれていたメーカーのコメント 「このソフトはバ−チャガン対応ですが、腕に自信のある人はコントロ−ラ−でやってみては?  技が競えます。(開発部.ミストナカイ)」 アハハ! ソウナンダ! ぼくハ ばーちゃがんヲもっテハ いナカッタ!!  ダカラ、こんナニモ くるシイんダネ!! 無駄? 無駄!! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!!  (深いため息の後、日記を読み返す)…俺、疲れたんだよ… もう、これ以上、ムササビを撃ちたくはないんだ… 「オーノー!」なんて、聞きたくないんだ!! …それに、コンバット越前の撃たれた時のセリフ、
「この野郎ぅ!!」
お前がコノヤロウじゃぁぁぁ!!!…そうだ、こんなソフト、誰かに貸してしまおう…俺にエアーズアドベンチャーという 素晴らしいほどツマラなく、体の力が抜け落ちるほどダルるいこのソフトを貸した酷い人F村氏に、この恐怖のソフトを 貸してしまおう…そうすれば、俺は…俺だけは…俺・だ・け・は…俺・・だ・・け・・は…
悪意のリングは繋がり続ける…電源は、何時も何処かでONになる。
精神汚染度 4000%(汚染拡大の危険性アリ)

98年1月31日 「消滅」
ようやく風邪も直ってきたので、久しぶりにデスクリムゾン。まずは軽く密林地帯を、と思っていたが5回連続でゲームオーバー になり、激しく気が滅入る。やはりBGMを聞かずにSHAZNAのアルバムを聞いていたからか? 仕方なくデスの腐ったBGM を聞きながら再度挑戦。またしても瞬殺。「くそうぅん」あまりにそっけなく死んでしまう主人公「コンバット越前」に激しい憎悪が 込み上げてきたが、こんなクソゲーに感情移入している自分に気付いてしまい、急に恥ずかしくなってしまった。 気を取り直し、今度は冷静にプレイ。的確にヒットさせ、クレジットも順調に増やしながら、問題の砂漠の渓谷に進んでいく。 どうも攻撃時の下品な爆発によって処理速度が変化する為か、妙に敵の攻撃速度がまちまちな気がする… そう思っている内に、青コウモリの集中攻撃でライフが1秒で消滅、しかもコンティニューした瞬間、更に2回攻撃を食らい、残り1になる。 「やりやがったなぁ」とつぶやく主人公。完全に切れた私は懇親の連打で画面を意味も無く撃ちまくった。 ムササビを撃ってしまう可能性もあったが、そんなのを気にしていられる精神状態では無かった。 撃って撃って撃って…、気が付いたら、画面から爆発パターンが消えていた。でも、音は聞こえている。 必至にカーソルを探すが、見つからない。バグッた!!  その間にも敵は攻撃を止めない。とりあえず攻撃は出来ているようなので 闇雲にコントローラを操作して撃ちまくる…突然、画面右上にカーソルが復活した! よし!!
「オーノー」
連打を止めなかった俺の前にムササビが現れ、速攻でいまいましいロゴに戻る。 俺も電源を落とした。TVは静かにブラックアウトしていった…
精神汚染度 39%

98年1月27日 「幻影夢想」
風邪による気だるさを紛らわそうと、デスる。このゲームの売りの一つに「進化する銃」というのがある。 これは、敵を倒す毎にメーターが上り、一定量が蓄積される毎に、画面に敵の位置を示すレーダーが表示されたり、 銃の溜め撃ちが出来るようになるというものである。しかし、ダメージを受けたり銃を空撃ちするとメーターは減ってしまう。 つまり、下手なやつほど先に進めない、という訳だ。だが、度重なるチャレンジにより、ステージ2の密林地帯の 敵出現ポイントは大まかに把握する事が出来たので、今日はいつもの銃の乱射とリロードを繰り返す「即時殲滅型」の攻撃を止め、 確実にスコアを稼ぐ「命中率重視型」で進めることにした。これが、吉と出た。レーダーは役に立たず、強化された銃も ただのマシンガンで、俺の連射の方がよっぽど早いというヘボさだが、クレジットは確実に稼ぐ事が出来、密林をノーミスで 抜ける事に成功した。続く砂漠地帯では青コウモリが一番やっかいなのだが、どうやら基本的に一定ラインに現れる事が多い という事実を見出した俺は、とりあえず一瞬で殺される事だけは免れながらステージを進めていった。しばらくして、 なんの前触れもなく音楽が止んだ…演出か?…バグだった。一度ポーズをして解除すると、またファミコン臭い 音が流れ出した。気にせずに先に進むと、目的地らしき遺跡にようやく辿り着くことが出来た。異常な程に慎重な足取りで 階段を上っていく。イカサマ臭い攻撃にも何とか耐え、とうとう遺跡の入り口のすぐ前まで来る事が出来た。 ついに、次のエリアに進むことが出来た…そう思ったが、遺跡の入り口に背をむけ、ふらふらと辺りを動き回るばかりで、 一向に中に入る気配は無い。そんな間にも敵の攻撃は陰湿さを増して行く。
「なんなんだ、こいつは? 夢遊病者か?」
遺跡の周りを勝手気ままに散策する内、雑魚の集中攻撃を食らい、ゲームは終了。
無論、電源OFF。
精神汚染度 70%

98年1月25日 「限界」
今日、デスの情報を検索するうち、恐るべき事実が発覚した。 撃つと「オーノー」と叫ぶ謎の生命体が、「モモンガ」では無く「ムササビ」だというのだ!(だから、何?)  ところで、今の俺にはステージ2をクリア出来そうに無い。 素早く迫り来る敵に、それ以上に素早く動くカーソルを合わせる事は到底出来ず、 越前のカマっぽい「くそうぅん」「やりやがったなぁ」といった声を聞くハメになってしまう。 もはやパッドでは不可能なのか? 俺の技量では決してクリアする事は出来ないのか? それとも、 もう…こんなゲームは止めてしまった方が良いのか??  …いや、ここで投げ出してしまったら、 デスに敗北したことになってしまう! こんな超クソゲーにだ!! 何より、デス様の日記が、俺の唯一の ゲームネタである今、デスを止める訳にはいかない!!!
「逃げちゃ駄目だ! 逃げちゃ駄目だ! 逃げちゃ駄目だ!」
だが、3つ有ったライフを一瞬で消されて、ムッとした俺は、速攻で電源を切った。
精神汚染度 10%

98年1月21日 「錯乱」
いきなりバグッた。いつものように電源を入れると、うっとうしい会社のロゴに縦ジマが入っていた。 うっとうしいロゴの後の、品の無いタイトル画面もバグッていた。「サターンがイカレたか?」そう思ったが、 とりあえずゲームを始めてみると、ステージが始まる頃には画面は正常な状態に戻っていた。あまり大差は無いが。 このゲームのサウンドは素晴らしい。32Bitマシンでファミコンをしている気分になれる。 音源の少ないピコピコとしたサウンドが脳内を這いずり回り、俺は、この歪んだ世界に魂を沈める。毒々しい画面に 単調なゲーム展開、時々猛烈に激しさを増す敵の攻撃、撃たれると「オーノー!」と叫ぶ、モモンガ… これは紛れも無くドラッグだ。冷静に、そして的確にモモンガを避けながら森を抜け、 次のエリアに進んだ俺の前に、突然、凄まじい砂嵐が広がった。「またバグったのか?」…演出だった。 どうやら砂漠の渓谷のようだ。砂の中からイモムシ、ラクダに乗った兵士、かなりの速度で 接近するコウモリのようなもの、そして、怒涛の如く画面を遮るモモンガ…。 意味も無くうねる様に切り替わる画面に、超スピードで迫る敵。ヘタに攻撃すればモモンガに当たってしまう。 この操作性では、もはやどうしようも無い。
「オーノー!」
最後のライフを気の抜けたセリフが奪う。ロゴに切り替わる前に、俺は電源を切った。
精神汚染度 55%

98年1月20日 「森の果てに」
今日はステージ2から始める。舞台は「密林」のようだ。だが、出てくるのは、折り紙で作ったような原住民と、 青いハリネズミ風の敵(おそらく幽霊か何かのつもりだろう)、そして、画面を大きく遮る「モモンガ」。 これ見よがしに画面に張り付くモモンガを避けながら、蛇行して飛来してくる青いハリネズミを撃ちまくる。 シュールな世界に思わず数分間、没頭する。だが、さすが超クソゲー、すばらしい事に、 ステージ2からはクレジットが0、つまり、即ゲームオーバーなのである。 そして、その度に見るハメになるのは、 飛ばせない上に悪趣味な
ECOLEのロゴ。
体中の疲れがどっと押し寄せ、無意識の内に、俺は電源を切っていた。
精神汚染度 37%

98年1月18日 「突然」
このゲームは本来バーチャガンで遊ぶものだ。だが、俺はそんな物は持ってはいない。パッドで遊ぶ場合、 画面にカーソルが表示されるのだが、本当によく消える。下品な爆発アニメーションや、 無意味に画面に拡大される敵や人質達に絶えられないのか?仮にもサターンだぞ!だが、今日はいつもより冴えていたのか、 サクサクと進んでいった。ステージ1は、3つのシーンで構成されている。普段はシーン1でなぶり殺しにされるのだが、運良く クリア。これには自分でも驚いてしまった。シーン2は、古代遺跡風の、訳の分からないエリア。このシーンでは、民間人の変わりに 「モモンガ」が出てくる。それも、撃て!と言わんばかりに、画面中央に長時間停止するのだ。だが、以外にもサクサクと進んでいく。 原因は、敵の攻撃がバグって当たってもカウントされていない事が多いからだ。最初は1回しか無かったクレジットも、スコアと共に ボコボコと増えていく。バグりっぱなしのステージ3をもクリアし、衝撃のボスとの対戦に望む。ラクガキみたいな物体、こいつがボスらしい。 ボスステージは、画面の左右を撃つことで、正面位置を切り替えて戦うという、斬新な手法が取りいれられているのだが、逆に言えば、 「撃って逃げていればいい」だけだ。しかも、ボスの攻撃が激しければ激しい程、バグって敵の攻撃は当たらない。 キチガイじみた連打を繰り返していると、いきなりスコア画面に切り替わった。どうやらボスを倒したらしい。しかも、ステージ2は始まらず、 スタートメニューに戻っている。ステージ1の欄の横に、カタカナでクリアと書かれていた。
「なんだこりゃ…」
これ以上、このセンスの欠片もない画面を見るのがイヤになり、俺は電源を切った。
精神汚染度 45%

98年1月17日 「再会と絶望」
相変わらずのクソっぷりにムカツク。ちょっとキーを押しただけで、カーソルが画面の端から端まで動くのか!? バグってる汚い画面に突然現れては消えていく、訳のわからない敵を打ちながら、自問自答を繰り返す俺。 一瞬、気を抜いた俺に容赦なく敵の攻撃が降りそそぐ。このゲームでは、やられている間も容赦無く攻撃を受けるので、 3つあったライフも、わずか3秒で削られる。すかさずコンティニューするも、復活した瞬間に、画面に残っていた敵からの攻撃を 受け、ライフは、残り、一つ。狂ったように画面を往復するカーソルが、普通のゲームなら大した事のない数の敵 に耐え切れずに点滅を繰り返す(ファミコンか?)。そして、カーソルが、完全に消えたその瞬間、最後の一撃が俺を襲った。
「やりやがったなぁ」
情けない音声を聞いたと思った時には既にゲームは終了し、うっとうしい会社のロゴに戻っていた。やりきれない思いを抱きつつ、電源を切る。
精神汚染度 27%

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