2002/11/12
「高橋名人のトークショウ」イベントレポート
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大阪で9日、10日の2日間行われたゲームイベント
「Games Japan Festa in OSAKA 2002」。
出展タイトルは膨大だが俺の興味を惹くタイトルは特にないし、入場料が1000円である事もあって、
当初は行く気ゼロ状態だったが、
近所のゲーム屋がGames-Japan加盟店でタダ券を配布していたのと、
イベントで1つ面白そうなのがあったので、せっかくだから行ってみる事にした。
その面白そうなイベントとは、
高橋名人のトークショウ開催。
「昔懐かしいゲームの話」、当時の名作ゲームで盛りあがろう!
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かつてのファミコンブームを体験した者にとって、高橋名人とその16連射は、
未だカリスマ的存在。
しかしコロコロは読んでいたが、キャラバンに参加して
実際に名人のお姿を拝見した事はなかった。
この機会を逃さない手はないッ!!
そしてイベント当日。
会場の一角に設けられた、割とこぢんまりとしたイベントブースで、その時を待つ。
俺が参加したのは11月10日だったが、
1つ前に行われたマイクロソフトのイベントが少し押していた為、
2時40分の予定より5分ほど遅れて、イベント開始。
司会の女性が登場し、その後で呼ばれたのが…
高橋名人ッ!!
当時コロコロなんかで見た写真よりスリムになっているが、
間違いなく高橋名人その人!
昨年までは大阪の営業所にいたそうだが、
今は東京の営業所で、非ゲームも含む商品企画の仕事をされているとか
(名人と名刺交換をされたという夢幻将和さんより頂いた情報によると、正式な肩書きは
「株式会社ハドソン 事業推進本部 営業部 新商品企画課 マネージャー」
だそうです)。
「今となってはただのオジサン」と謙遜されるが、
営業やイベントを長年されているだけあって、
その喋りはとにかく面白く、
司会の女性とも呼吸が合っていた。
そして名人が紙袋から取り出されたのは、懐かしのファミコンソフト!
それらソフトを紹介しながらの、
二十歳未満(いやもう少し上か)は置いてけぼりのぶっちゃけトークに、イベントブースは大きく沸いた。
- 「ロードランナー」…
初のサードパーティ製ソフトは、問屋や販売店から理解を得る事からして大変だった。
「任天堂のファミコンに、ハドソンがゲーム出していいのか?」といぶかしがるのを、
全国営業し、説得して回ったとか。
ソフト製造のために任天堂に納めた金額もハンパじゃなく、
これがこけたらハドソンも終わる、という状態。
しかし「いいんじゃない?」と、入社1年目の高橋名人を始め、社内は軽かったらしい。
そして発売された結果は、完売御礼で問い合わせの電話が鳴り響き、
最終的に170万本以上を売り上げた。
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「スターフォース」…
高橋名人が目の前でスターフォースをプレイ!
懐かしい黄色いハドソンスティックで猛烈と連打を繰り出す姿は、正しく名人ッ!
とはいえ流石に今では16連射は出来ないらしく、
「迷宮組曲」の連打測定(10秒で何発叩けるか)でも138点だったとか。それでも凄いッ!
(途中懐かしのシュウォッチが登場したが、それでの連射も見たかった…)
ファミコンブーム真っ直中に行われたこの年の全国キャラバンは、
南ルート(鹿児島〜大阪)を名人が、北ルート(北海道〜東京)は毛利名人が担当し、夏休み40日のうち30日以上でイベントを行う強行スケジュール。
宿泊先の近くで火山の噴火があったり、
ビルの階段を使って運んでいた28型モニタが階段を転げ落ちたといったハプニング話も。
- 「忍者ハットリ君」…
企画当初は「ハットリ君とケムマキの2人が対決する」というものだった。
しかし作者の藤子先生の所にゲームの企画を説明に行った際、
その企画書を見せる前に
藤子先生から「ハットリ君とケムマキは争ってるけど本当は2人は友だちなんだよ」
と聞かされてしまい、その企画書は出す事もできず没。開発が2ヶ月ほど遅れてしまったとか
(でも製品版での「チクワと鉄アレイを投げるハットリ君の父上」のほうが、よっぽどヤバイ気がw)。
- 「バンゲリングベイ」…
クソゲーとして語られる事の多いゲームだが、
ハドソンの第3弾ソフトとして、かなり吟味して決めたタイトルで、
「ラジコンっぽい操作がいい!」など自信もあった。
しかし発売後、
サポート電話に「バンゲリングベイを買ったんだけど、どこが面白いの?」
との質問が来て、かなり凹んだとか。
名人に「バンゲリング帝国復興計画」を教えてあげたい…。
ちなみに名人は、クソゲーと言われるゲームほど、自分で買って
確かめたくなるタイプらしい(
デスクリムゾンはプレイされたんだろうか?w)。
- 「ボンバーマン」…
元であるPC版は「爆弾男」というタイトルだったが、
それをドイツで発売する際、安直に「BOMBER MAN」にしようとしたら、
向こうで爆弾テロが起こり、
仕方なく別名に(ド忘れたッス…日本語で「ナントカと風船」みたいな名前)。
その後ファミコン版が出る際、「国内では爆弾男で行こう!」という事になったが、
今度は皇居にロケット弾が打ち込まれる事件が起こり、
爆弾はヤバイという事で、結局「ボンバーマン」に。
- 「高橋名人の冒険島」…
「ワンダーボーイ」の移植が、鶴の一声で名人ゲームに。
ゲームでは「ナスビ」が弱点となっているが、
本当はそれほどナスビ嫌いでもなかった(ある時聞いたナスのこすれる「キュッ」という音が
黒板をひっかく音を連想して嫌いに)。
だが当時の名人は、正に子供達のカリスマ的存在。
「子供が名人を真似てナスビを食べない」という母親からの苦情が来て困ったとか
(アニメ「Bugってハニー」では途中でナスビ好きに変わった記憶が)。
またこの頃は、グァムで原人ルックでの撮影があったり、
漫画『高橋名人物語』(今年7月には再販されサイン会も行われた)では表紙の為にコスプレしたり(小学生や白雪姫!)と、
変な撮影が多くて大変だったとか。
- 「桃太郎電鉄」…
さくま氏は桃鉄のデータを自分の足で調べるほどの鉄道マニアだったが、
スタッフはそれほど地理には詳しくなく、
初期のバージョンでは「盛岡」と「仙台」の位置が逆になっていたらしい(マジッスか!?
…でもこんな話は聞いたことが無いので、初期ロットではなく完成直前での話かも^^;)。
ちなみにトークの内容は、前日とはまた違う内容だったらしく、
GameSpotの9日の記事によると、この日は「スターソルジャー」をプレイされたり、例の逮捕デマ(!)の話もされたとか。
2日連続で来られた熱心な方もいたほど。
ハドソンの歴史とも言うべき懐かしのゲーム話も終わり、
次に公開されたのは、あのファミコンブームの絶頂期に行われた、
86年の第2回全国キャラバン映像!!
「スターソルジャー」という傑作タイトルを用いて行われた大会の映像は、
そのまま血管が切れて倒れそうなくらい連打する少年、
画面に集中するあまり顔の筋肉がヤバイ事になってる少年、
「命」と書かれた黄色い鉢巻きのカミカゼ少年など、
ファミッ子よりも「ファミコン戦士」という呼び名が相応しい、
凶戦士達の宴。
今より太めな当時の高橋名人が映ったときには、イベントブースにどよめきも。
この映像を見ながら、1つの会場で出場者1000人に対して4000人が集まったとか、
エントリーに間に合わなかった母子に泣きつかれ、
しょうがなく参加許可したらアッサリ予選敗退してしまったといった苦労話も。
そんなこんなで盛り上がったイベントの、最後のとっておきは、
名人の生ライブによる「Bugってハニー」!!
名人の生歌が聴けるとは、夢にも思わなかったッス。
しかも名人、ファミコンブームの頃には歌手としても
活躍されていただけあって、マジで歌が上手いッ!(でも歌詞をちょっと忘れて誤魔化したりもw)
こうして名人によるイベントは、
ブースを取り囲む「大人になったファミッ子達」(明らかに年齢層が高かった^^;)からの
大拍手によって終了した。
約1時間、退屈する時の無い、あっという間の1時間だった。
高橋名人、貴方は今でもカッコイイッ!!!
<ファミッ子リンクス>
- ファミコン少年団REUNION
ファミコンと高橋名人の情報を完全網羅するサイト。
「高橋名人ホ完計画」にある名人音源の数々は必聴ッ!!(「Bugってハニー」もアリ!)
これらをリアルタイムで聴いてきたファミッ子は、思わず目頭が熱くなる!?
- 「PAINT IT YELLOW」
ハドソン制作のイベント「全国キャラバン」で全国を転戦していた熱心な常連ファンが制作されているデータベース。95年、96年のキャラバンデータも完全紹介。
当時イベントに参加されたファミッ子は、思わず目頭が熱くなる!?
- ヨコミゾセッションエレメンツ
かつてのファミコンブームに存在したという、
伝説の指体操「ファミコン体操」が、分かりやすく写真入りで紹介。
名人に近付こうとこの体操をした事のあるファミッ子は、思わず目頭が熱くなる!?
<イベント関連記事>
追記:
12月7日と8日、大阪日本橋で行われた、
新作ソフト体験&東京ゲームショウ残り物配布イベント
「GAMESHOW2002 in 大阪日本橋」でも、名人トークショウが行われ、そのイベントの最中、アカペラで短いが、名人による歌も披露された。その様子を今度はしっかり録音しておいたので、その音源をここに公開。
「ホの字のゲーム」即興バージョン
BGM:FC「高橋名人の冒険島」生音源(mp3、31秒、サイズ246kb)
※ファイルへの直リンはしないで下さい。この「ホの字のゲーム」のオリジナル版は、「ファミコン少年団REUNION 」の「高橋名人ホ完計画」にて配信されているので、聴き比べてみると吉。
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