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2000/04/23
■無知が招いた死亡事故 −問われる罠箱の扱い−
つい前日、ブリテンの魔術師見習いである Chateraise さんが死亡した事で波紋(オーバードライブでは無い)を呼んでいる トラップボックス(罠箱)についてだが、 今度はそのトラップボックスの作成者である細工師 Tony Hiramatsu さんが死亡するという、何とも情けない事故が起こった。

23日午後8時30分頃、 昨日の Chateraise さんが死亡した現場の状況を再現してみようと、 手持ちの木箱を地面に置き、 写真を撮影していた Tony Hiramatsu さんは、 そのあと地面から箱を拾い上げてバッグに戻し、 食事でも取ろうと食料が入っている箱のフタを開けた瞬間、 異常なまでの悪寒と全身ツメの先までに至る激痛に襲われ、 直ぐにそれが自ら箱に仕掛けていた『猛毒』の罠によるものだと理解した。

「さっきまで普通に開け閉めしていたのに、どうして急に罠が… ま、まさか、地面に一度でも置いてしまうと、その罠は誰彼構わず開封した者を襲うというのかー!?」 力が73で体力にはそこそこ自信があった Tony Hiramatsu さんだが、 解毒するには魔法や回復薬で体力を維持しながら最上級の解毒薬を何度も試みる必要があると言われる GMの毒の罠には為す術もなく、 ほんの10秒足らずで死亡してしまったそうだ。

ただ、昨日の Chateraise さんと違い、 ヒーラーの元で生き返り戻ってきたところ、 Tony Hiramatsu さんの死体は誰にも荒らされてはいなかったのは不幸中の幸いと言えよう。

しかし、当の本人は 「今まで、モンスターに囲まれ追いつめられた時も強運と脚力で逃げ切ったし、 仲間が目の前でクマに食い殺された時も一目散に逃げ出したし、 PKが出るような場所には近づきもしなかった。 だから私は、今まで1度だって死んでいなかったし、それを自慢にもしていたんだ。 それが…、まさか自分で自分の命を取る事になろうとは…、ああ、もう灰色の世界は見たくない…」 と、初めての死亡劇に落胆の色を隠せない様子。

細工師を志して1ヶ月半、最上級者の称号「グランドマスター」を取得してまだ1週間足らずの Tony Hiramatsu さん。 生きる為には、称号よりも経験と学習が大切なのだと、身をもって知った事だろう。


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