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2000/05/05
■ブリタニア流 『端午の節句』
「トラメル側ヴェスパーのカウンセラーホールに特別な飾り付けができている」、 ブリテン西の銀行前で、タウンクライヤーがそんな告知をしているのを聞き、 その真偽を確かめるべく、早速ヴェスパーに飛んだ。

小さな島同士を橋で繋いだような水上都市ヴェスパー、 カウンセラーホールは、その街のちょうど南西にある大きな建物だった。 建物の中に入りそこで見たものは、ブリタニアには異質だが、 異世界からの来訪者、とくに日本からの来訪者にとっては、なんとも懐かしい光景だった。

”Tango no Sekku” と題されたそのオブジェは、 日本の5月5日「子供の日」の飾り付けに、精一杯似せられていた。 中央には「カブト」、後ろには屏風が立てかけられ、両側には弓や刀が飾られる細かさ。 そして、その周囲の堀には、赤と黒の「a carp(コイ)」が狭いなかを窮屈そうに泳いでいた。


異世界に移住しようとも、ふるさとの風習はとても大切なもの。 日本独自の風習である端午の節句がこのブリタニアの世界でも行われたことが、 どれほど有意義だったかは、 周囲に置かれた金品や小物といったお供えを見れば、明らかだ。

ただ、海の魔物「サーペント」に”コイ”と名付けて泳がせても、 とても青空を泳ぐ「鯉のぼり」には見えるはずもなく、 周囲の意見でも、このコイの強引さは、いささか不評だったようだ。 ただ、中には「ダイナミックで良い」との意見もあった。

このオブジェを見た日本以外からの来訪者達が 「オーウ! ブシドーソード ニ、モンスターフィッシュ! ニッポン ノ フーシュー、トッテモ ミステリアスネ!」 と変な誤解を招いていなければよいのだが…。

なお、この端午の節句は、日本シャード独自の行事である。


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