荒木先生がカバー絵を描き下ろした、ちくま文庫『生き延びるためのラカン』の著者で、精神科医の斎藤環さんによる、『ジョジョの奇妙な名言集』の書評が、朝日新聞社の書評サイト『BOOK.asahi.com』に掲載されている。(6月3日の朝日新聞に掲載された内容と同じ)
斎藤さんは、『ジョジョ』の魅力的なセリフの数々について、漫画を超えて引用され続けているその影響力から、「本書に収められた名言は、いわば現代人の基礎教養なのである。」と言い切る。また、斎藤さんは自身が最も好きなセリフとして、岸辺露伴の「だが断る」を挙げ、自己犠牲をもいとわないナルシシズムの格好良さと評し、こう締めくくられている。
そう、荒木作品は私たちに教えてくれる。まず自分を愛し、そこから自前の倫理を確立せよ、と。時に猟奇的な様相すら呈するこの作品が、きわめつけの「人間賛歌」と呼ばれるゆえんである。
そして荒木先生は、『ジョジョの奇妙な名言集 Part4~8』[A]収録の、荒木先生による解説「セリフは、ほとんどが”天然”で生まれています 荒木飛呂彦」で、「人間讃歌」についてこう語っている。
勇気や人間が素晴らしいものなのであり、それを肯定していく考えは最初から変わっていません。「人間がとくかく一番」という極めて単純なこと――「人間讃歌」が、やはり『ジョジョ』の根底にある考え方なのです。そのことは新しい部を描くごとに、肝に銘じています。きっと『ジョジョリオン』のストーリーやセリフにも、滲み出してくることでしょう。
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荒木先生からビデオメッセージ - ちくま文庫『生き延びるためのラカン』のカバー絵が、荒木先生描き下ろし! しかもネクタイが…!?
荒木先生が描き下ろした、フランスの精神科医で思想家のジャック・ラカンが表紙。何やらスタンド能力を持っていそうな雰囲気。しかもネクタイが吉良吉影のドクロネクタイ。
Amazon[A] - (熱血!マンガ学)ジョジョの奇妙な冒険 頭脳戦、シビれる!あこがれるゥ!【大阪】 – 伊藤遊(関連記事)
2009年3月に、同じく朝日新聞に掲載された、京都国際マンガミュージアム研究員の伊藤遊さんによるジョジョ書評。荒木の作品では、端役でも丁寧にその人生が描かれることが多い。彼の作品のテーマは、人間は学び、成長することができる素晴らしい生き物であるという「人間賛歌」なのだ。
- ジョジョの奇妙な名言集 part1~3 <ヴィジュアル版> (ジョジョの奇妙な名言集)
ジョジョ第1部~第3部までの名言と、フランス文学者の中条省平氏による解説が収録。 - ジョジョの奇妙な名言集 part4~8 <ヴィジュアル版> (ジョジョの奇妙な名言集)
ジョジョ第4部~第8部までの名言と、荒木先生による解説「セリフは、ほとんどが”天然”で生まれています 荒木飛呂彦」が収録。あの「何をするだァーッ」についても語られている。ジョジョマニア必読。