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ちょうど1年前、ジャンプで「無頼男(ブレーメン)」という漫画が打ち切られた。 作者は「BOY」を長期連載していた梅澤春人。 「ブレーメン」については ちゆ12歳さんの ちゆニュース9月18日 に詳しく書かれているが、 子供の暴力事件が起こる度に過激な漫画やゲームがやり玉に挙げられる昨今、 「そんなもの…クソ喰らえだ! そんなものは見えやしね―――――!!」 という作中のセリフが、まるで作者のシャウトでもあるかのように、 少年誌の限界を超えた過激さで彩られ、 最終話で「スタッフ」を ”STUFF”(素材・がらくた・駄作)と 表現するなど(単行本では直されていたが)、 とにかく破天荒、ロケットで突き抜けたキ○とは格が違う、 正真正銘「ロック」な漫画だった。 その中で終盤に登場した、最狂のライバルバンド「サイクロプス」の歌が、 このほど熱烈なファンの手によって1つの曲として完成し、そしてネットで公開された!!
あまりに笑いすぎてしばらく呼吸困難に陥ってしまったが、 聴いてるうちにマジにハマッてしまい、 ふと気が付くと 素で「破壊―――(デストロ―――イ)!!!」とダミ声で口ずさんでいる俺自身に、正直驚愕。 ところで歌詞の後半、「ガッデム」や「燃えろ燃えろ〜」だが、 これは「ブレーメン」からではなく、 梅澤氏が現在ジャンプで連載中の漫画 「SWORD BREAKER(ソードブレイカー)」から取られたものだ。 そしてこの歌が公開された場所も、2ちゃんねるの「SWORD BREAKER」スレッドなのである。 この事は漫画とスレを読んでいる者なら必然と思える事なのだが、 恐らくスレどころか「SWORD BREAKER」自体知らない・読んでいない方が 多数を占めると思われるので、 少々長くなるが、これからこの漫画について語って行こうと思う。 先の「デストロイのうた」を聴きながら読んでいただけると幸いである。 SWORD BREAKERが何たるか、 「SWORD BREAKER(ソードブレイカー)」の連載が始まったのは、 今年7月のジャンプ35号。 しかし色々な意味で読者を沸かせた、あの「ブレーメン」以来の連載にも関わらず、 連載当初の盛り上がりはあまりに静かだった。 と言うのも、梅澤氏定番のジャンキー共との喧嘩に明け暮れるというものではなく、 ジャンキーもレディースもロックもスタンガンも存在しない 「剣と魔物とファンタジー世界」だったのだ。 ファンタジー世界を舞台としたものとしては「ベルセルク」があまりに有名だ。 その緻密な世界観と強烈なバイオレンスは、他に追随を許さない。 それで「SWORD BREAKER」の世界観はと言えば… 舞台は地球とは別次元にある世界。 「最強の剣」を振るう邪悪な魔法使いアバルと「無敵の盾」を持つ勇者ルルドの闘いは、 かろうじて勇者の勝利となるが、アバルの放った呪いによって勇者は異次元に飛ばされてしまう。 それから1000年。世界はアバルを邪神と称え その復活をもくろむ殺人集団「アバルの信徒」の恐怖に怯えていた。 そこに1000年の時を越えて、勇者が帰還する。邪神アバルの復活を阻止し、再び世界に平和をもたらす為に。 勇者に邪神… 恥ずかしいくらいにド直球、これではまるでドラクエの世界。 そして勇者は呪いで子供にされ、 「無敵の盾」も6つのダイヤが紛失して100%パワーが出せない有様。 「なかまをふやし、うしなわれたダイヤをすべてあつめ、 そしてじゃしんアバルをたおすのだ!」…ますますRPG。 第1話こそ、こちらの世界(勇者が飛ばされたのが何故か現代の日本だった)が舞台で、 「殺人上等(コロシジョートー)!俺たちゃ無敵の未成年様だぜ!」と 梅澤節が炸裂したものの、異世界に戻ってからの、 いかにもな剣士や ショボい異世界の町並みを見た時、 「もうデストローイ級のインパクトは望めそうにない」と、 以前のファンはガックリ肩を落とした事であろう。 だが…しかしッ!! 「このお方」の登場で、それは大きく変わった!!!
まるで小学生が「ぼくのかんがえたまじんです」と 書いたラクガキを起こしたような ベタ過ぎなデザインはハッキリ言うとダサい、だがそのダサさが、 どことなく子供の頃見た特撮ヒーローに登場した敵役の ような、懐かさとカッコよさを強烈に訴えかける。 事実、このグリード様が初登場した頃の2chソドブレスレでは、 ・なんか仮面ノリダーに出てきそうなデザインだったな ・グリード様はリアル消防時代に買ったパチモンのウルトラ怪獣人形を思い出す ・グリード見てデビルマン思い出した ・平成の世でグリード様のようなデザインが見れるとは ・子供向けファンタジーって言われてたけどどう考えても大人向けB級特撮だな そしてグリード様は「悪魔核(デビルコア)」、ジョジョで言う「肉の芽」をブ男に埋め込んで インスタントに魔人を生み出し、 魔人なら何を殺(や)ったって全然オッケーさ!とでも言わんばかりに、 「スパン(首をはねる)」「ズン(突き刺す)」「グシャ(踏みつぶす)」 など、作者が何かふっ切ったようなルール無用の残虐ファイト。 そして案の定この魔人がやられると、遂にグリード様自らが参戦。 何と「幻魔剣(ブレゾード)!」の一声でグリード様の身体が「剣」に変形! まさかトランスフォームするとは! そして「雷覇斬(ジグザン) !」「雷覇撃(ジグレード)!」と強すぎな技を勇者にブチかます!!! このカッコ良すぎなギミックに こちらのボルテージもMAXに到達するが、 勇者が放った気の抜けたカメハメ波みたいな技を食らって、 グリード様が空の彼方に吹っ飛ばされたのには、もはや笑うしかなかった。 しかしグリード様は死んではいなかった! 飛ばされて星になったのは、負けたのではなく戦略的撤退だったのだ!(勝手な憶測) グリード様はアバル信徒の本拠地に帰って、勇者の報告をするのだったが、 その本拠地というのが…
ガッデム… ガッデム… ガッデム… グリード様は「もう1度チャンスを!!」と自ら志願されるが、 「大予言者(マスター)ズール」と呼ばれるアバル信徒の指導者(?)は 他にやってもらうべき事があるとそれを制し、 別の刺客を差し向ける事になる。 どれもこれもお約束のオンパレード、 だがアバル信徒サイドは グリード様や魔城ガッデム、大予言者(マスター)ズール、 どれもダサカッコ良すぎるので、全然気にならない。むしろもっと見たい。 そして勇者を倒す為の「第2の刺客」が選ばれる。 「ノルマ以上に人を殺しすぎた」そいつは…
いきなり燃えろ燃えろ―――!! 殺せ殺せ殺せ――!! グルトニー様の目の前で景気良く燃やされているこの土地は、「聖地ミネルバ」。聖地、いきなり焼失!! 更にこの後、グルトニー様の右腕から発する「スカル・ドラゴーラ」の一撃で、奥にそびえ立つ城は木っ端微塵に。聖地って何さ? 「このグルトニー様を」と自らを様付けで呼んでみたり、 頭蓋骨で塔を飾り付ける(饅頭みたいな床も頭蓋骨)のに没頭するあまり、 予言で決められ絶対であるハズのノルマを軽くシカト、 更に「殺しすぎだ」と注意を受けた直後に 「オレが留守の間も人間はバンバン殺し続けろよ!」と平気で言ってのける、 傍若無人を地で行くグルトニー様。 グリード様のような「変形」はこのフォルムからすると微妙だが、 もしかすると「バイク」に!?(それはない) ちなみにさっきは書かなかったが、 グリード様やこのグルトニー様は「7剣邪」と呼ばれる存在であり、 つまりこんな魅力的な、いやロックな面々が、まだあと5人も控えていることに。タマんないぜ!! ……… これだけ書けばもう十分伝わっただろう。 SWORD BREAKERは梅澤氏の新たなるロック! 言わば”ロック・ファンタジー”! そしてSWORD BREAKERのロックが、それに惹かれた信徒のロックが、 冒頭で紹介した「デストロイのうた」を復元させたのだ!! この文章を読んで少しでも興味を惹かれたなら、 さあ、とっとと読め! (打ち切られる前に) グリード様達のことばかり書いてしまったので、これから読む方の為に、 これまでの大まかなストーリーを書いて、最後とする。 <これまでのおはなし> グリード様を辛くも退けたチビッ子勇者ミコト(本名「ルルド・ジュリアート・アルキサンドル・マキシマーム・ジーク・ダイヤモンド」←作者も既に忘れてるだろうな)は、 <「SWORD BREAKER」関連リンクス>
#ってな訳で、2chのスレと「デストロイのうた」に感化され、 勢いでドララーッと書いてみましたが、いかがでせうか。 ツッコミどころ満載な上、最近は素で面白くなっていたり。 デストローイ(打ち切り)されず、 7剣邪全員が出るまで続くことを祈る(^^;)。 追記: 「ソードブレイカー」は残念ながら、 11月19日の少年ジャンプ51号をもって、打ち切り終了となってしまった。 ネタとしてだけでなく、漫画としても盛り上がりを見せていただけに 非常に残念で仕方ないが、 救いのある最終話と、最後の梅澤氏の爽やかなコメントには、 梅澤氏に心より「おつかれガッデム」の言葉を贈りたい。 嗚呼しかし アバル信徒の反逆は終わらない―――― 「何人たりとも預言を狂わせてはならない! ソードブレイカーの連載復活には 全力でコミックスを購入し応援する必要があるようだな!!」 |