発売中の『西尾維新クロニクル』掲載、「荒木飛呂彦×西尾維新スペシャル対談」より。
――:西尾さんは、この戯言シリーズを9冊で完結させて「ひと仕事しあげて、ぼくは新人ではなくなった」と、おっしゃったことがあります。荒木先生の場合、ひと仕事を終えたと思われた作品は?
荒木:
ちょっとないかもしれない。よく出版社から『ジョジョ』以外の新しいものを描いたほうがいいと言われるんですけど、まだ終わっていないのに、何か新しいものにするというのは違和感がありますね。だからずっと描くのかなみたいな。西尾:
一生ですか?荒木:
わからないですけど。西尾:
『ジョジョ』的物語が終わるまでは。荒木:
そうですよね。でも、人間のつながりをずっと描いているので、終わらない。人間が絶滅しない限り終わらないのかな。
これまでも荒木先生は、「だいたい『ジョジョ』第9部くらいまではテーマを決めているんですよ。」や、「描いているうちに続々とテーマが浮かんでくるんです。いつ終わるのかも分からない。」とコメントされていた。そして現在ウルトラジャンプで連載中の『スティール・ボール・ラン』は、『ジョジョ7部』。
しかも『ジョジョ』の場合、これだけ長く続くのに、常に”新しい”のが魅力。特に、UJで連載を読まれている方なら、ここ数ヶ月の絵柄、内容ともに見て取れる、明確な「進化」に、毎月圧倒されている事だろう。
この『西尾維新クロニクル』のインタビューで、荒木先生は自身について、こうもコメントされている。
荒木:
何かね、自分が完全じゃない人間だってずっと、いまだに思っているんですが、一人前というのは、具体的にどういう人間かはわからないけれど、若いころから、それになりたいと思っているんですよね、ずっと何か若いころから。
果たして我々は、荒木飛呂彦が織り成す『ジョジョ』という世界の、真の意味での”終わり”を、見ることは出来るのだろうか。そしてもし”終わり”が来るとしたら、それは一体どんなものになっているのだろうか。