(10/05追記:WJ2015年45号掲載のオリジナルキャラの情報を追記)
PS3/PS4専用ジョジョゲー『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』(ジョジョEoH)には、原作者の荒木飛呂彦先生監修による、完全オリジナルのストーリーモードが収録される。
2年前に発売された『ジョジョASB』にも、一応ストーリーモードは存在したが、それは原作をテキストでなぞっただけの「貧弱! 貧弱ゥ!」な内容だった。
『ジョジョASB』のストーリーは各部ごとだった。使用キャラが3人しかいない7部だと、(1)ジョニィVSジャイロ、(2)ジャイロVSジョニィ、(3)ジャイロVS大統領、(4)ジョニィVS大統領→END。7部ステージは1つで、ストーリーに応じた技の制限もないため、ジャイロから『回転』のレッスンを受けているはずのジョニィが、いきなり「ACT4」を繰り出すシュールな展開に…。
しかし! 今作『ジョジョEoH』のストーリーモードは完全オリジナル。各部ごとではなく、第1部~第8部の登場キャラが入り乱れる、「時代と世界を超えた、本作だけの壮大な物語」、そして何より、荒木先生が直々にシナリオ監修!! とあらば、期待しねえわけにはいかねえだろう…! PV第3弾と、東京ゲームショウのイベントレポート(ファミ通.com、GAME Watch、電撃、Gamer)から判明している、ストーリーモードに関する情報は次の通り。
- 「アイズオブヘブン」というタイトルはストーリーモードを指している。ジョジョ第1部~第8部のキャラが入り乱れる、本作だけの壮大な物語。
- スピードワゴンが第1部~第8部までのメンバーを繋ぐ、特殊な役割を任せられている。
- 物語は承太郎たちがDIOを倒した後から始まるらしい。第6部で登場した、DIOが残したノート、プッチ神父、『天国』が鍵を握るようだ。
- ストーリーモードでは「オリジナルキャラ」が登場ッ! 荒木先生描き下ろしかどうかは不明だが、長髪、白いコート、「天国」に関係あるらしい。
(WJ2015年45号より、オリジナルキャラのシルエット。膝や靴の装飾が何となくDIOっぽいような?)- 荒木先生による監修は、全部で4回行われた。CC2松山氏曰く、「荒木飛呂彦は天才ですね。我々がまったく思いもつかないようなアイデアをたくさん出してくれました」(←知ってた)
- 本作では「課金や有料でのダウンロードコンテンツ」は一切存在しないため、有料の追加シナリオも存在しない。
承太郎達の前に、死んだはずのアヴドゥルとイギー。不気味なオーラが意味するものは!?
DIOを倒した承太郎と、DIOの息子ジョルノが並び立つ!?
ポルナレフの後ろには、あの「亀」が!?
ちなみに、荒木先生が執筆した書籍『荒木飛呂彦の漫画術』で、マイナスプラスゼロの罠として、次のような記述があった。
以前『ジョジョ』のゲームでも、主人公が捕まってしまうけれども、逃げて助かるという、一見、前向きなようでいて、マイナスプラスゼロの典型のようなストーリーを提案されたことがありました。捕まって(マイナス)、逃げる(プラス)のは、つまり、捕まる前の状態に戻った(ゼロ)だけです。結局、僕の方から違うアイディアを出し、プラスに向かっていくストーリーに修正してもらいました。
過去に発売されたジョジョゲーで、オリジナルのシナリオを持つゲームは無かったので、もしかすると荒木先生監修前の『ジョジョEoH』のストーリーは、捕まった歴代ジョジョを助けに行く、というシナリオだったの・か・も。
10月8日(木)からは、WEB番組「ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブントーナメント」が放送される。掛け合いを見たい「最高のコンビ」をツイッターで投票することも可能。こちらもぜひチェック!
<管理人のただの与太話>
これは「呪い」を解く物語――
その始まり――
「呪い」とは ある人に言わせると
自分の知らない 遠い先祖の犯した罪から続く「穢れ」と説明する(『ジョジョリオン』第1話より)
先日、友人宅のPS4で、初めて『ジョジョEoH』体験版を遊んだところ、「思っていた以上に面白かった」のが正直な感想だった。ジョナサンとディオなど、原作では絶対あり得ないタッグとその掛け合いは楽しく、複雑な操作も、最初こそ戸惑ったものの、2回ほど遊べばすんなり動かせた。
『ジョジョEoH』は、メーカーとしては、前作で不評だった部分を徹底的に見なおして、かつ、前作以上にジョジョ愛をたっぷり込めることで、ユーザーとの間に生じた「軋轢」を解消したい、解消してみせる!という意気込みで制作されているのは伝わってくる。
でも、前作『ジョジョASB』で生じた軋轢は、もはや「呪い」と呼ぶべきで、技術や情熱、ファンサービスだけでは解けない。ジョジョ6部でF・Fが徐倫を見て、彼女の中にある「いい思い出」が人間のエネルギーなのだ、というシーンがあるが、その「いい思い出」とは真逆のエネルギーがいまだ渦巻くのを感じる。前作『ジョジョASB』が出荷本数50万本の(数字的には)大ヒットだっただけに、その影響は計り知れない。
どんなに頑張って作っても「信じて!」と叫ぶことが許されないメーカーと、期待したいのに期待できない、一言「許す」と言えないジョジョファン。2つの間に生じる真空状態は、どのような破壊を生み出すのか…。
だが とにかく いずれのことだが 「呪い」は解かなくてはならない
さもなくば「呪い」に負けてしまうか…(『ジョジョリオン』第1話より)