「漫画を描くことは、ジャズの即興演奏みたいなもの」 『物語論』(講談社現代新書)に、荒木飛呂彦インタビューが収録!

 インタビュアー木村俊介さんが行った、各分野で活躍する17人の創作者へのインタビューをまとめた一冊、『物語論』(講談社現代新書)[A]に、荒木先生のインタビューが収録されている。

 荒木先生のインタビューは、『週刊文春』2009年6月18日号に掲載された内容を再録したもの。漫画家デビューから、80年代のジャンプの雰囲気、週刊連載のコツ、漫画を描いて考える事など、9ページに渡って語られている。
インタビューで荒木先生は、漫画雑誌での連載を、日記やジャズの即興演奏のように考えているとか。

 『ジョジョ』って、すごく構築した作品だとよく思われているんですけど、自分の中ではその時その場で考えたことをアドリブで描くジャズみたいなもので、ちょっと間違えてもその現場の一回限りの録音ならではの味が出ていたら面白いんじゃないの、という考え方でやっているんです。

 テーマも、バーンと打ち出している「人間讃歌」であるとか、「敵も味方も、肯定的にものを考える人しか出さない」であるとかいう、軸として追う部分は揺るがないようにしています。でも、肉づけの細かい部分については、事前に決めすぎると、たとえば「来週の読者」とか「今年の時代の空気」みたいな目の前にあるものとズレてきてしまうし、連載をしているうちに、どうしても自分ではコントロールできないところが出てくるんです。だから、日記やジャズのようなものだ、と納得するしかなかったんです。

 『ジョジョ』は今年で作品25周年。荒木先生の“人間讃歌”第8番『ジョジョリオン』は、これからどんな物語が紡がれていくのだろう。

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(情報グラッツェ!<やすくんさん)