文部科学大臣賞の1つで、国内外の優れた映像作品などを表彰する『第17回 文化庁メディア芸術祭』において、荒木飛呂彦先生の『ジョジョリオン ―ジョジョの奇妙な冒険 Part8―』[A]が、『マンガ部門』大賞を受賞した。
『マンガ部門』は今回609作品の応募があり、その中から『ジョジョリオン』が大賞として選ばれた事について、荒木先生は受賞者コメントで、「ちょっとずつ描いていると良いこともあるのだなあと、個人的に苦しかったことや大変だったことも思い出し、感慨無量です。」とコメント。選考理由には、人気のエンターテインメント作品であるというだけでなく、個性的なコマ割りや演出に見られるマンガ表現への追求、人間讃歌、東日本大震災を長年に渡り築き上げてきた壮大な物語世界に取り込んだ事などが挙げられている。(ちなみに、同じマンガ部門で『それでも町は廻っている』[A]で優秀賞を受賞した石黒正数先生のツイートによると、最優秀賞以外は事前連絡なしの、ガチでびっくりする仕組みらしい。)
12月5日に都内で行われた記者発表会では、荒木先生も登壇。
シネマトゥデイの記事によると、故郷の仙台市や震災をモチーフにしているのではとの質問に対し、荒木先生は「確かに仙台市がモデル。でも、震災というよりは、先祖から続いてくる家族の気持ちがテーマになっています。目指しているのは横溝正史[A]先生の世界にあるような昔からの日本の謎や、日本文化のいいところ。それを現代文化に置き換えてやろうと思っています」と語ったとの事。
2014年2月5日(水)~2月16日(日)には、国立新美術館で『受賞作品展』が開催予定。『ジョジョリオン』の原画も展示される・か・も。
『ジョジョの奇妙な冒険』は、2006年に文化庁『日本のメディア芸術100選』マンガ部門で2位に選ばれている。また、2007年には文化庁のメディア芸術サイトに荒木先生のロングインタビューも掲載された。
- 第17回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 大賞 ジョジョリオン ―ジョジョの奇妙な冒険 Part8― 荒木 飛呂彦(日本) / 文化庁メディア芸術祭について / 歴代受賞作品(1997~2012)
メディア芸術祭賞(文部科学大臣賞)大賞には、賞状、トロフィー、副賞60万円が贈られる。受賞者コメント
このたび、大変に名誉ある賞を頂きまして心から感謝致します。
『ジョジョリオン』は集英社『ウルトラジャンプ』において、2011年から連載をさせて頂いておりますが、1987年より連載を開始した『ジョジョの奇妙な冒険』の第8部に位置する作品になります。描き始めて27年経って、文化庁メディア芸術祭賞で認めて頂けたことは、誠に光栄に思います。ちょっとずつ描いていると良いこともあるのだなあと、個人的に苦しかったことや大変だったことも思い出し、感慨無量です。このたびの機会を励みに、編集部やうちの仕事場のスタッフたちと共に、今後もマンガ読者の皆さまにより一層楽しんで頂けるような作品を描けるよう精進していきたいです。また社会のために、どういう形であれ、少しはお役に立てるような作品となれるなら、日本人として、マンガ家として、本当に幸せなことだと思います。
(荒木 飛呂彦) - 『ジョジョリオン』大賞受賞は、各種メディアでも「たっぷり!」記事に。
JOJO 0612 『ジョジョリオン』、平成25年度(第17回)文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞ゥゥゥ!!! – 荒木飛呂彦 公式サイト [JOJO.com]
/ コミックナタリー – 荒木飛呂彦、メディア芸術祭大賞受賞で「身に余る光栄」
/ 「ジョジョリオン」文化庁メディア芸術祭大賞を受賞 – シネマトゥデイ
/ 第17回文化庁メディア芸術祭の受賞作品が決定 応募総数4347作品の頂点に輝いたのは? – ファミ通.com
/ メディア芸術祭マンガ部門、大賞に荒木飛呂彦「ジョジョリオン」 海外から同人まで多様な作品並ぶ | アニメ!アニメ!
/ 文化庁メディア芸術祭、大賞はSound of Honda、ジョジョリオンほかに決定 #ブレーン | AdverTimes(アドタイ)
/ ジョジョ、連載開始から28年目で「文化庁メディア芸術祭」大賞 (荒木飛呂彦) ニュース-ORICON STYLE-
/ 文化庁メディア芸術祭の大賞作品発表 -ジョジョや著名作家のアート作品など | マイナビニュース
/ 第17回メディア芸術祭マンガ部門大賞は「ジョジョリオン」 | マイナビニュース
/ 文化庁メディア芸術祭、マンガ部門の大賞に「ジョジョリオン」 – ねとらぼ
/ 『第17回 文化庁メディア芸術祭』の受賞作品発表、国内外の4,347点から選出 -otherニュース:CINRA.NET
/ ジョジョ8部「ジョジョリオン」、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞ゥゥウウウ!!! | ファッショントレンドニュース|FASHION HEADLINE
/ マンガ大賞に「ジョジョリオン」 13年度メディア芸術祭賞 – 47NEWS(よんななニュース)
/ 大賞に「ジョジョリオン」 メディア芸術祭賞 – MSN産経ニュース
/ 荒木さんの「ジョジョリオン」に大賞 メディア芸術祭賞:朝日新聞デジタル
/ メディア芸術祭賞 大賞に「ジョジョリオン」 ― スポニチ Sponichi Annex 芸能
/ ジョジョリオンがメディア芸術祭大賞、緻密なストーリーなど評価 – 芸能社会 – SANSPO.COM(サンスポ) - 朝日新聞(2013年9月14日)別紙の荒木先生のインタビュー記事より。
――連載中の第8部『ジョジョリオン』は被災地が舞台で、記憶喪失の少年が主人公です。東日本大震災で日常を断ち切られた日本人すべての映し鏡にも見えます。荒木:それは、偶然なのかな。発想としては、(記憶喪失の情報部員が主人公の)映画『ボーン・アイデンティティー』とか。記憶喪失の少年が流れ着く、というのは震災前に決めていたので。
――なぜ被災地を舞台に?
荒木:(仙台がモデルである)杜王町を舞台にすると決めて、ストーリーの打ち合わせをしていた。触れないわけにいかなかった。
――舞台を変えようとは思わなかったのですか。
荒木:気は使ったよ。でも触れないのは絶対おかしいな、と思って。あの描き方になった。
――震災で、何かが変わりましたか。
荒木:漫画家について改めて考えた。何ができるか考えたら、やっぱり漫画描くのが漫画家かなと。被災地に対する態度というか。描き続けることがやるべきことかな、と。
――作品で、元気を与える。
荒木:それが漫画だったり、絵描きだったり、ものをつくる人の目的なんだろうな、と思います。
- 「避けて通ることは出来ませんでした。」 朝日新聞夕刊(7月2日)の文化面で『ジョジョリオン』が紹介される
舞台を杜王町にすることはもともと決めていたのですが、構想の段階で震災が起きました。杜王町は仙台市がモデルなので避けて通ることは出来ませんでした。特殊な地形も考えていたアイデアですが、震災がなければ『壁の目』のようなものにはならなかったと思います。
- “人間讃歌――謎めく美しき世界” 『美術手帖』2012年11月号は、【特集】荒木飛呂彦ッ!!
今回のマンガ部門の審査員の1人で、『ジョジョリオン』受賞理由コメントを書いた伊藤 剛さん(マンガ評論家/東京工芸大学准教授)のジョジョ談義も収録。 - 文化庁「日本のメディア芸術100選」結果発表、『ジョジョの奇妙な冒険』がマンガ部門で堂々2位に!!
- 文化庁のメディア芸術サイトに、”Manga Meister” 荒木飛呂彦ロングインタビューが掲載!!