「間接的に日本が良くなることにつながれば嬉しい」 『文化庁メディア芸術祭』内覧会に荒木先生が出席、展示内容も明らかに!

 2014年2月5日より東京・六本木の国立新美術館で開催される『第17回文化庁メディア芸術祭』関連記事)の内覧会が前日の4日に開催され、そこに荒木先生も出席されたとの事。

 FASHION HEADLINE 記事によると、スピーチで荒木先生は、「ジョジョは連載25年を超えた。その重みもあってうれしい」「色使いは連載が始まった80年代に流行っていたヴェルサーチやモスキーノ、ミッソーニなどのイタリアブランドから影響されている」「間接的に日本が良くなることにつながればうれしい」など、53歳とは思えない相変わらずの若々しい表情でコメントした”、との事。
(荒木先生の写真とスピーチ内容は、ねとらぼGIGAZINEで詳しく書かれている。)

 注目の『ジョジョリオン』コーナーも公開されており、壁にモノクロ原稿のパネル、透明ケースには『ジョジョリオン』第1話原画ジョジョリオン5巻表紙イラストなどカラーイラスト4点(カラーイラストは額に入っておらず、ジョジョ公式でも「カラーイラストパネル」とツイートしているため、残念ながら原画ではない模様)荒木先生のインタビューテキスト仕事場の写真などが展示されている。また、別の場所では受賞作品のキービジュアルが掲示され、そちらには荒木先生のサイン大きな写真)が書き込まれている。


 『第17回文化庁メディア芸術祭』の展示会場は、六本木・国立新美術館地図)の企画展示室1E。開催期間は2014年2月5日(水)~2月16日(日)(※2月12日(水)休館)で、観覧料は無料との事。


メディア芸術祭 マンガ部門大賞 ジョジョリオン 荒木飛呂彦

荒木飛呂彦先生インタビューテキスト
FASHION HEADLINEの写真より)


Q1.
28年目を迎えた『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの中で、第8部がとくに表現していること・チャレンジしていることはありますか?

A1.
家族です。これまでの『ジョジョ』でも血脈は重要でしたが、今まで以上に、先祖から伝わるものだとか、家族が一緒にいる意味を描いています。自分が何者であるかがわかっていない定助を通じて、家族の『謎』というサスペンスを見せていきたいと思います。目指しているのは、
横溝正史[A]先生の伝統的な日本家族の現代版です。


Q2.
『ジョジョリオン』を描く際に、聞いている音楽はなんですか? 具体的なシーンに対してアルバム名などを教えていただくと嬉しいです。

A2.
何でも聴きますが、最近だとケイティ・ペリー[A]デフ・レパード[A]マイルス・デイビス[A]バッハ[A]などのバロック音楽、イマジン・ドラゴンズ[A]ティム・マッグロウ[A]など。
クラシック、ジャズ、ハードロック、ポップスみたいなジャンルのローテーションもします。
『ジョジョリオン』はカントリーウェスタンの普遍的でシンプルな感じが合いますね。


Q3.
『ジョジョ』シリーズは、とくに海外で『芸術作品』として評価される機会が増えている一方、誰もが楽しめる『マンガ』らしさのあふれるものとして、強く魅力を放っているとも感じます。ご自身では、『ジョジョ』をどんな存在だと思って描いていらっしゃいますか?

A3.
元々、登場人物の性格をファッションで表すことをしていたのですが、それを続けていたらファッション誌が褒めてくださって驚きました。あとは書店に並んだ時にどう見えるかを考えてカバーイラストを描いた結果、たまたまアートの方にも認めていただけたという『偶然』ですね。でも物語の基本にあるのは『少年ジャンプ』のエンターテインメント性。それはデビュー時から叩きこまれているので、意識から離れることはありません。


Q4.
場面設定のこだわりについて。国、地域、町、家、部屋など、それぞれの設定が細部に至っていること、現実と結びつきやすいけれども逸脱しているその世界観はどのように発表されるのでしょうか?

A4.
ファンタジーの世界は、どこかリアリティに則っていないと面白くならない。超能力というファンタジーに対するリアリティ。だから地図だとか、物体や人間も、なるべくリアリティを追求しています。
主人公が東西南北どちらを向いているのかは、常に頭に入っています。『スティール・ボール・ラン ―ジョジョの奇妙な冒険 Part7―』[A]なんかは特にそうですし、『ジョジョリオン』でもそれは変わりません。

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