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2001年4月8日 「真実」 (前編)

昨年11月に「古伝降霊術 百物語」をクリアして以来、ホコリを被るままだったセガサターンを、今日 久しぶりに起動させた。

中で回転しているDISCは、「デスクリムゾン」。

葬式送りにされたハズの世紀末帝王が、この新世紀に「重版」されるという「珍事」に触発され、またプレイしてみたくなったのがその理由だ。

飛ばせないエコールロゴ、マヌケなオープニング。何度も読み返したギャグ漫画のように、面白く懐かしいが、もはや大笑いすることは無い。一通り眺めた後で、俺はスタートボタンを押した。

選べるステージは1と2のみ。昨年、本体の電池が切れたのと共に、デスクリムゾンのプレイデータも全て初期化されてしまったのだ。そこで、とりあえず…いや、せっかくだから、俺はこのステージ1から順に攻略していくことにした。

『シーン1 サロニカの街』

「昔はこんな序盤でも、あっさり”秒殺”されていたっけ…」
苦々しい想い出も、今となっては懐かしい。

しかし、そんな余裕がアダとなった。
随分と久しぶりだったとはいえ、猛烈なカーソル速度に振り回され、青コウモリにカーソルを合わせられず、「Hit Here!」の看板の所では、早くも「佐藤(民間人の通称)」を誤射、そんなこんなでクレジットはどんどん減っていき、進化ゲージによるクレジット増加も間に合わぬまま、遂に無様にもGameOverとなってしまった。

そして俺は、腹を立てて電源を切った…
…なんて事は しない。
飛ばせないロゴを見せつけられた後で、また、ステージ1を選択する。

強制スクロールを予測しながら青鬼の下腹部に ありったけの連打を浴びせる。空撃ちを控えることで進化ゲージを上昇させ、クレジットをどんどん増加させる。この面で最も注意すべきは 青コウモリだ。カーソルは常に中央やや上でキープし、出てきたら速攻で始末する。

あっさりと シーン1(1−1)は終了。
転びながら覚えた自転車の乗り方のように、やはり1度体に染みついた感覚は、多少のブランクでは消えはしないようだ。

サロニカを攻略した俺に、続く「リムブルク大学」や「コネラート橋」は何の障害にもならなかった。ステージ1のボスに至っては、弱いというより「これに負けた奴は全国にいるのか?」というレベル。これでステージ1は全て終了した。

メニュー画面に戻される。ステージ1の横に ”クリア”の文字が刻まれたのを確認し、今度はステージ2を選択した。

シーン4(2−1)「イズキット川」は、難易度自体は低いのだが、初期クレジットが0のため、ヘタをすると瞬く間にGameOverへと追いやられる。しかし、ここは過去にウンザリするほどプレイしているので問題は全く無い。確実にクレジットを貯めつつ、次のステージに進む。

ここまで順調にきた俺だったが、続く シーン5(2−2)「アッシムの館」では、Game Overを覚悟していた。

デスクリムゾンの伝説は、「アレなオープニング」や「飛ばせないロゴ」の他に、ゲームの難易度に関しては、「カーソルが異常に早くて、パッドでは操作すらままならない」、「ダメージ後の無敵時間が無いせいで、ヘタをすると一瞬で3ダメージ=即死」、「コンティニュー後も無敵時間が無いため、押した直後にまた攻撃を食らう」、「恐ろしく邪魔な位置に現れる、撃ってはならない存在(佐藤やムササビ)」などが上げられる。

これらマトモじゃない要素全てがミックスされ、生み出された非常識な難易度、その最たるが、この「アッシムの館」なのだ。

宙を舞うコンバット越前の視点、5匹や6匹は同時に現れる敵、フォーメーションを組んで画面に張り付くムササビ、カーソルもバグって時々画面から忽然と消えている。前のステージで稼いだ4つのクレジットが瞬く間に失われていく。コンティニューの表示が出ている間は画面が停止するが、既に他の敵からロックオンされている(つまりダメージは確定)のだから笑うしかない。

しかし、敵の出現パターン自体は覚えていたし、高速モード(ゲーム全体の速度が突如 2割ほど上昇する とんでもないバグ)などにもハマらなかったので、クリアとみせかけて裏口に回るなどの じれったい構成にウンザリしつつも、クレジット0、ライフ2というギリギリの状態だがなんとかクリアできた。

ステージ2のボス「ムーラ」。ガンでは苦労させられるが、パッドでは小ムーラを使っての物量攻撃しか能のない ただの大ムカデ(ちなみに本当はサソリらしい)、「アッシムの館」を抜けた俺の敵ではない。「アッシムの館」でのストレスも上乗せして 奴の顔面に渾身の連打を浴びせる。ギャアギャアと悲鳴を上げて逃げ回るのを、レーダーで追いかけながら執拗に攻撃。最高にハイって奴だ。

しかし、ゲージが半分くらいになった所で、突如、奴が悲鳴を上げなくなった。撃っても撃っても全く手応えが感じられない…。

「無敵バグ――――」

呆れるほどバグが多いデスクリムゾンだが、その中でも最悪なものに、「無敵バグ」がある。敵の当たり判定が突如消失し、文字通りの「無敵」となる。こちらはその「倒せない敵」からの攻撃を一方的に食らうのみ。

まだ雑魚なら1ダメージを覚悟すれば それで済む。しかし、ボスとなると…。

ポーズをかけてみたり、画面を切り替えたりと色々試してみたが全くの無駄だった。こちらが一方的に攻撃されること十数秒、しぶとかったコンバット越前の命にも、ようやく終わりが訪れた。

Game Over


【ボスの無敵バグに遭遇したら、パッドリセット(A+B+C+スタート)をして、そのあと『続き』を選べば ボス戦からやり直せる】

この事を思い出したのは、俺がムカついて乱暴に電源を切ってしまった後だった。

こんな理不尽なゲームなのに、ハマるのは何故だ…

TO BE CONTINUED →