”土浦に「黄金の風」” 4月15日の常陽新聞の一面に、荒木先生と「桜比べ展」の記事が掲載!!


常陽新聞 4月15日号より

茨城県の地方新聞紙『常陽新聞』の4月15日号に、”土浦に「黄金の風」”という見出しで『土浦桜比べ展覧会』の特集記事が掲載! しかも掲載位置は紙面の一面ッ!!

4月1日より開催中のこの展覧会では、荒木先生が作品『黄金の風』を出展、更に、4月7日には荒木先生自身が”バオー来訪”されるなど、ジョジョファン、漫画ファンからからディ・モールト注目を集めている。
記事では、作品「黄金の風」や荒木先生の写真がカラーで掲載され、そして、今回の出展に至るまでの知られざる経緯や、荒木先生の土浦来訪、出展への反響などが、一面を使って深く掘り下げて書かれている。

既に1週間前の記事で、Web掲載も無かったが、今回その掲載号を1部譲って頂けたので、特集記事の内容をここに紹介ッ!!

常陽新聞 2007年(平成19年)4月15日(日曜日) 第20618号】

土浦に「黄金の風」
人気漫画家、荒木飛呂彦さん
出展で話題呼ぶ

まちかど蔵の桜比べ展

 土浦市のシンボル花「桜」をテーマに、さまざまな芸術作品二十八展を集めた「土浦桜比べ展覧会」が、同市中央一丁目の土浦まちかど蔵「大徳」で開かれている。著名な一流作家による日本画や洋画、陶芸などの作品は見応え十分。中でも、漫画アートとして紹介されている「黄金の風」が話題を呼んでいる。描いたのは「ジョジョの奇妙な冒険」などで知られる漫画家、荒木飛呂彦さん(四六)。若者を中心に、同業者からも絶大な支持を得る人気作家が「桜比べ展のため」作品を寄せたことに、名を知る市民やファンからは驚きの声が上がっている。荒木さんの出展が実現した背景には、桜比べ展の発案者で地元の老舗企業「柴沼醤油」社長、柴沼和廣さん(五六)の存在があった。

◆桜の季節に
 「土浦に人を呼びたい」という柴沼さんの思いが、桜比べ展の始まり。構想を練り始めたのは昨年の夏だった。

 趣ある蔵をメーン会場に、周辺商店街を巻き込んで二月下旬から三月上旬に開く「土浦の雛まつり」は、年を追うごとに観光客を増やしている。真鍋小学校、亀城公園、新川堤など桜の名所が多く、市内が一年で最もいい季節を迎える四月、せっかくの蔵で何もしないのはもったいない。「桜がテーマの展覧会はどうだろう」と、ほどなく柴沼さんは市観光協会にアイデアを伝えた。以降これを受けて、市と市観光協会が展覧会を主催することになる。

 加えて「歴史ある土浦の街並みは年配者に人気が高いが、これを機に若い人も呼び込みたい」との気持ちが芽生えた柴沼さん。そんな折、親交のあった荒木さんの漫画家生活二十五周年を祝うパーティーが都内で開かれ、柴沼さんも招待されることになった。

◆黄金の風

 柴沼さんが荒木さんと知り合ったのは二年ほど前。東京・銀座のギャラリーで、偶然居合わせた荒木さんをオーナーに紹介されたのがきっかけだった。

 久々に顔を合わせたパーティー会場には「ジョジョ」に登場するキャラクターを描いた絵が六枚飾ってあり、柴沼さんは改めて「とてもきれいな絵だ」と感じたという。その後「招待されたお礼に」と荒木さんを食事に誘った十一月、桜比べ展のことを伝えて出展を依頼した。

 食事の席では、桜比べ展の趣旨や内容、展示には荒木さんが好きな作家の作品も入っていること、荒木さんが漫画と同時にモダンアートの分野にも作品を発表していきたい思いがあること、などを話したという。

 荒木さんは出展依頼を快諾。その後、柴沼さんによると「喜んで依頼を受けてくれた荒木さんは年内に作品を完成させ、出来映えには自身も満足しているようだった」という。

 こうして桜比べ用に制作された作品は「ジョジョ」第五部の主人公ジョルノ・ジョバァーナが、精神的なエネルギーを具現化する特殊な能力を使って桜を生み出し、花びらが風に舞う様子を描いたものに仕上がった。作品は、第五部の副題でもある「黄金の風」と名付けられた。

◆来訪

 四月一日から始まった桜比べ展。七日には「開催期間中に一度は来ようと思っていた」という荒木さんが、蔵の会場を訪れた。

 「桜がテーマの展覧会を土浦で開くと聞き、素晴らしい企画だと思った。これまでに桜の絵をあまり描いていなかったこともあり引き受けた」という。

 「花咲かじいさんのように『生命を創り出す』少年、ジョルノになら、桜の花を咲かせられるかなと思った」のが、最初に浮かんだ作品のイメージ。制作に取りかかった時、季節は冬間近だったが「春を思い浮かべて描いた」と振り返った。

 また、「土浦は初めてだが、実際の桜も美しく自然を大切にしている印象を持った」と感想。「(自分の作品のテーマでもある)『生命賛歌』『自然への敬意』と、自然を象徴している桜を大切にする土浦の精神が一致していると思った」と語った。

 この日、うわさを聞いて駆けつけたファン、幸運にも会場に居合わせた人たちに囲まれ、握手やサイン、イラストの求めに快く応じた。
一時間ほどの滞在中にほかの展示作品を見て回り、「出展している先生方がすごい人たちばかりなので恐縮している。桜比べ展に出展できて光栄」と笑顔を見せていた。

◆反響は
 市観光協会によると、桜比べ展には目に見えて若い人たちの来場が多いという。蔵を訪れる若者の多くは、荒木さんの作品が目当て。それでも「ほかの展示を見て回り、それぞれの作品のよさを味わい、展示全体に満足して帰っていく」という。

 逆に、日本画や陶芸目当ての年配者が荒木さんの作品を見て興味を持ち、絵の美しさに感動して帰っていく姿も多く見られる。「いい相乗効果が生まれている」と、初めての企画ながら主催者も手応えを感じている。

 「会場がいっぱいになることは少ないが、途切れることなく人が訪れ、誰もがゆっくりとしたペースで展示作品を楽しめる」と市観光協会。十三日現在、桜比べ展には約三千人が訪れている。

 世界的に知られる、日本画家千住博さん、人間国宝の陶芸家酒井田柿右衛門さん、NHK大河ドラマ「元禄繚乱」の装画を担当した日本画家木村圭吾―。名だたる芸術家の作品の数々は、個人が所有する既存のものを市内から集めた。新たに制作されたのは荒木さんの作品だけ。柴沼さんは「来年も桜比べ展を開催する予定。まだ返事はもらっていないが、実はもう荒木さんに次の作品をお願いしてある」と話している。

 一ヶ月という開催期間の折り返し点を迎えたところで実際の桜は見ごろを過ぎたが、蔵の中では、まだ見事な芸術作品二十八点が満開。ジョルノが咲かせた桜はあと半月、土浦にとどまる。

本物の桜はもう散ってしまったが、『土浦桜比べ展覧会』の桜達は、4月30日まで”満開”に咲き誇っている。今週末の3連休がいよいよラストチャンス! 東京近郊にお住まいの方は(遠方でも「覚悟」している方も)、是非足を運んで、荒木先生が咲かせた”今年の『桜』”を鑑賞しよう。

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(情報グラッツェ!<mskmさん)