宮城県仙台市の地方新聞『河北新報』で連載されている「3・11と芸術 震災後を語る」の第29回(2014年10月21日(月)発売号掲載)に、漫画家・荒木飛呂彦先生が登場し、震災について語った。
記事に付けられた見出しは、「被災地舞台に「人間賛歌」」。荒木先生は震災について、「スティール・ボール・ラン」を描き終え、新連載の「ジョジョリオン」に取り掛かる矢先に起きた震災が、ジョジョリオンの構想にも影響を与えたことや、江戸時代から14代続く荒木家の本家が津波に流され、思い出の風景がなくなりかなりショックを受けたこと、自分がするべきことは何かを語るより、漫画を描き続け、読者に届けることだと感じた事などが語られている。(関連:2013年朝日新聞の荒木先生インタビュー記事) また、「ジョジョリオン」のテーマについては、「自分がなぜそこに生きているか。自分が存在する意味を解明していく物語。青年が自分のルーツを探し、前に進んでいく話が復興というテーマにもつながる」との事。
ちなみに、記事の荒木先生プロフィールによると、「ジョジョ」の累計発行部数は9000万部以上と書かれている。累計1億部も見えてきたッ!?
河北新聞の記事より。
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今朝の河北新報、荒木飛呂彦さん。「震災では沿岸部にあった14代続く荒木家の本家が流された。思い出の風景がなくなりショックを受けたが、自分のするべき事は漫画を描き続け、その雑誌を日本中に届ける事が一番大切ではないかと思った。」 pic.twitter.com/mr7dKhXWJq
— Tad (@CybershotTad) 2014, 10月 21
- 「避けて通ることは出来ませんでした。」 朝日新聞夕刊(2011年7月2日)の文化面で『ジョジョリオン』が紹介される
- 朝日新聞 2013年9月14日(土) 『be』3面のインタビュー記事より。
――連載中の第8部『ジョジョリオン』は被災地が舞台で、記憶喪失の少年が主人公です。東日本大震災で日常を断ち切られた日本人すべての映し鏡にも見えます。荒木:それは、偶然なのかな。発想としては、(記憶喪失の情報部員が主人公の)映画『ボーン・アイデンティティー』とか。記憶喪失の少年が流れ着く、というのは震災前に決めていたので。
――なぜ被災地を舞台に?
荒木:(仙台がモデルである)杜王町を舞台にすると決めて、ストーリーの打ち合わせをしていた。触れないわけにいかなかった。
――舞台を変えようとは思わなかったのですか。
荒木:気は使ったよ。でも触れないのは絶対おかしいな、と思って。あの描き方になった。
――震災で、何かが変わりましたか。
荒木:漫画家について改めて考えた。何ができるか考えたら、やっぱり漫画描くのが漫画家かなと。被災地に対する態度というか。描き続けることがやるべきことかな、と。
――作品で、元気を与える。
荒木:それが漫画だったり、絵描きだったり、ものをつくる人の目的なんだろうな、と思います。
- 『ジョジョ』が国内外のマンガから『選ばれた』ッ! 『ジョジョリオン』が文化庁メディア芸術祭『マンガ部門』大賞を受賞ッ!
(情報グラッツェ!<通りすがりZさん)