編集者・ライター向け情報誌月刊「編集会議」2008年4月号 [AA](公式サイト)に、「物語=グラフ・編集者=ソムリエ 乙一の小説公式」と題した、作家・乙一先生の特集が掲載。
「殺人者が登場する話なら、「殺人を犯すまで」よりも、「殺人を犯した後」に重点を置いて書いています。」、「いつも小説のページ数をX軸に、物語の盛り上がりをY軸にとって、きれいな曲線が描けるようイメージしながら書いています」など、乙一流の執筆などを語ったインタビューや、乙一先生と新人時代の担当編集者との対談、そして乙一特集の最後のページに、荒木先生から乙一先生へのメッセージが掲載!
「拝啓、乙一さま」と題されたメッセージは、荒木先生が乙一先生に、『The Book』執筆への感謝を綴ったもの。
『ジョジョ』のキャラクターたちと、乙一さんの傷つきやすい主人公たちの世界が融合している感じがすごく良かった。「単にマンガをノベライズ」しましたというんじゃなくて、ちゃんと「乙一ワールド」に『ジョジョ』の世界をとりこんで描いてくれている。そこがさすがだな、と。
(荒木飛呂彦「拝啓、乙一さま」より)
メッセージ自体は短く、内容もこれまでの『The Book』関連の対談などで語られていた事と被っているので、荒木先生だけ目当てに買うと、ちょっと肩透かし・か・も? でも乙一先生のインタビューや対談は、他ではちょっと見られない内容で、読んでいて面白かった。乙一ファンや、『The Book』で乙一小説に興味を持ったジョジョファンは、是非一度読んで欲しい。
#880円と少々高く、立ち読みしようにも、小さな書店じゃまず見かけないのが難。
- TBS「王様のブランチ」で4部ノベライズ”The Book”特集、荒木先生のインタビュー映像も!
- JOJO×乙一! ジョジョ4部ノベライズ「ジョジョの奇妙な冒険 ”The Book”」、11月26日発売!!
- 『青春と読書』 2007年12月号掲載、「対談/荒木飛呂彦×乙一」より。
荒木:3部や4部を描いていたころ、担当編集者から「悲しい話を描いてくれ」と言われたんですよ。僕もそれを目指したんだけど、でも若かったせいか、そこまで達していなかった。だけど、この『The Book』にはそれがあるんですよ。4部当時に目指していたものの完成形がある。完璧ですね。
乙一:よかった……。ホッとします。