広がる「ジョジョ」ワールド! 「まんがのチカラ」インタビュー『荒木飛呂彦先生(後編)』その2

6週連続で続いてきた、まんが情報ポータルサイト「まんが☆天国」の荒木先生連続インタビューも、いよいよ最終回!

昨年発売されて大反響を呼んだ「UNIQLO CREATIVE AWARD 2006」荒木飛呂彦デザインTシャツや、荒木飛呂彦描き下ろしジャケットの SOUL’d OUT「Catwalk」は、いかにして描かれたのか。

— CDジャケットやTシャツデザインなど、他業界のアーティストとのコラボレーションも積極的に行なわれていますよね。

荒木:そうですね、頼まれるとうれしいし、つい引き受けちゃいますね。仕事というより、気分転換って言うんですか? 休みの日に楽しんで描いてますよ。

— 休日にお描きになってるんですか?

荒木:良い気分転換になってますよ。それに僕や『ジョジョ』のことを知らない人達に見てもらえるのもいいですね。「これは何だ?」って思ってほしい。


執筆25周年を迎えた昨年は、対談掲載が4回、TVやラジオへの出演が4回、アーティストや漫画家とのコラボレーション、寄稿が5回、講演会が1回、そして今年も桜をモチーフにした展覧会『土浦桜比べ展覧会』に漫画アート「黄金の風」を出展を初め、『ジョジョ』という作品の枠を超えて活躍される荒木先生。毎月60P以上の連載をこなしながら、これだけのことを「気分転換に」出来てしまうのは、キチッとしたスケジュール管理のなせる業!?

今年で執筆活動26年目、ジョジョ20周年を迎える荒木先生。しかし、そんな荒木先生も、”自分が古いと思う時期がある”と言う。

— さて、今や、『ジョジョ』といえば、各界のクリエイターやアーティストにも熱狂的なファンがいますよね。そういう、別の世界で活躍していらっしゃる著名人に『ジョジョ』が愛されているということについてはどう思われますか。

荒木:長い間やっているとね、自分って古いのかなって思う時期があるんですよ。でもそういうふうに言ってもらえるとね、古くてもこのままさらに行けばいいんだって思うんですよ。だからうれしい、ありがたいですね。

しかし、『ジョジョ』の魅力は、20年も連載が続きながら、全く「古さ」を感じさせないことだと思っている。各部ごとに主人公も、時代も、目的もガラリと変わり、独特の絵柄やコマ割、映画のようなカメラワークもどんどん進化している。特に最新作『スティール・ボール・ラン』は、より深みを増した絵柄と、背負った人生を感じさせるエピソード、大ゴマを大胆に使った迫力のコマ割りなど、”今の荒木飛呂彦”の魅力が全面に出ている。荒木作品が荒木作品である限り、これから先も、古い、飽きたなどと思うことは決してない!と思っていただこうッ!

最後に、荒木先生がまんがを描くに飽きるということはないんでしょうか、との質問に、荒木先生は、

荒木:飛行機とかが飛ぶようになって地球が狭くなった時に謎ってなくなんのかな、って思ったけれど、まだいっぱいあるんでやめられそうにないですね。

荒木先生が『奇妙』だと感じる世界がある限り、『ジョジョ』は続く!!

濃密世界に酔いしれた、荒木先生の連続インタビューは、今回で完結。荒木先生と「まんが☆天国」に、ディ・モールト・グラッツェ! なお、次回はあの『デトロイト・メタル・シティ』の若杉公徳先生が登場! 漫画好きならこれからも「まんが☆天国」から「Be All Eyes(決して目を離すな)」!
「まんが☆天国」

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